真夏の夜は貴方を想う1【SS】 (ページ1)

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「あっつ...」

午前2時、寝返りはもう何回目？
相変わらず寝相が悪くて笑っちゃう。

今年もこの季節がやってきた。

子供の頃は好きな季節はいつですか？
なんて聞かれると即答で夏！と答えてた。

夏休みが来て、花火大会があって、
プールに海、そして私の誕生日。

理由なんてそんなものだったけど
その頃の夏はとっても輝いていた。

別に、今は夏が嫌いだ。って訳じゃない。
夏は相変わらず好きだ。

むしろ、輝きに磨きがかかってるように感じる。

うん、つまり何が言いたいかって？

今、夏が好きかと聞かれたら即答できない
って話。

花火大会、プールに海、私の誕生日なんて
今では大したイベントじゃない。

そんなことよりも、夏にはもっと大切なものがある。

もっと、もっと大切なことがあったんだ。

だから、その大切なことを想い出しちゃうから

簡単に大好きな夏なんて語れやしない。

そんなことを想う午前2時の真夜中。

あ、私は寝相が良い方で寝返りなんてしない。
じゃあ誰の寝相が悪いかって？ふふ。後でね。

真夏の夜の私、山田A27歳。

そんな私の少し昔の話をしてみよう。