救世主は突然に ページ21
次の日、教室に入り席に着くと、
クラスメイトからの視線を感じる。
特に女子からの。
「ねえ、山田さん絶対昨日のわざとだよね？
櫻井先生が来たからでしょ？」
メイクが濃くて、香水の匂いをプンプンさせた
派手な女子３人組が私の席に来た。
「え…？
ちっ、違うよ！そんなつもりじゃ…」
「先生も忙しいんだから馬鹿なことしないでよ。」
「っだ、だから！わざとなんかじゃ！」
「そういうのいいから。
櫻井先生に助けてもらったからって
調子に乗らないでよね！」
すごい言いがかりだ。
(わざとじゃないのに…私だって、
櫻井先生に迷惑かけたくなかったよ…。)
急にそんなことを言われ、
泣きそうになっていると、
「うっわ、何この匂いくせー。
誰だ？こんなキツい香水つけてるやつ。」
誰かがそう言いながら近づいて来た。
「…あ、お前らか。
ったく、学校では香水なんか必要ないだろ？
女子高生がそんなもんつけても似合わねーよ。」
うそ…櫻井先生だ。
そういえば1限目は現代文。
「…なっ、ひ、ひどい！
櫻井先生がそんな風に言うなんてガッカリ！」
「…は？お前らに言われる筋合いねーよ。
何が気に食わないんだか知らねーけど、
もし山田があのまま死んでたとしても、
お前らさっきと同じこと言えんの？。」
「だ、だって！
先生が迷惑したんじゃないかと思って…」
私は黙って見ていることしかできないでいると、
「…だからお前らみたいな女は嫌いなんだよ。」
私には先生がボソッとそう呟く声が聞こえた。
そう言った先生の目は凄く冷めていた。
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作者名：cherrys | 作成日時：2020年12月31日 2時
