Underground the World.

Snowdin.4 ページ11

＿＿


｢……おっと｣

橋を渡り、そう距離の離れていない広げた場所に着いた時、Sansが口を開いた。

｢今のお前は一応"ニンゲン"だったな。
あの見張り小屋の裏に隠れとけ｣
｢……え？｣

左斜め前にある無人の見張り小屋を指され、私が歩んできた時間軸との違いが全く判らないまま、言われた通りに隠れる。
すると、私が隠れた数秒後、誰かがこの場にやってきた。

｢よぉ、兄弟｣
｢なーにが『よぉ、兄弟』だって？
様子を見に来れば持ち場も離れてほっつき歩いてて！｣

Sansに対して怒りを表しているこの声は、Sansの弟であるPapyrusのものだろう。
パズルが大好きなスケルトン。
｢Gルート｣にて、唯一攻撃をせずに、ニンゲンの皮を被った化け物に情けを掛けた……優しい、骨。

ちら、と見張り小屋の横から様子を伺う。
鳴呼、この兄弟はとても仲が良かったな。どの時間軸かは覚えていないが、｢dirty brother killer｣と言われたことがある私としては、どれ程兄弟の事を想っていたのかが判る。……｢薄汚い兄弟殺し｣とは過去の私の事だ。

覗くのを止め、隠れるのに徹底しようと骨兄弟から視線を外したその時、私は一瞬自分の目を疑った。

──Frisk……？！

妙な形をしたランプに隠れていた為さっきは見えなかったが、そこにはFriskが居た。
都合の良いランプの形に感謝するべき……というレベルに。

｢俺様はパズルの作業に戻るが……お前も怠けてばっかいないで、自分の仕事にもう少し、『コツコツ』取り組めよ！！
ニェッヘッヘッヘ！！｣

Papyrusが戻ったのを見計らい、見張り小屋から出る。
Sansの元へ行く前にランプへ近寄り、｢Frisk｣と声を掛けた。

｢……えへへ。Aを驚かそうと思ったんだけど……こんな事になるなんて｣
｢そうだね、でも無事で良かったんじゃない｣
｢……？｣

ランプと話してるように見えたのか、Sansは疑問符を浮かべながら私達の元へ歩み寄る。
そして私とFriskの姿を見て、一言。

｢……あー、ちびっ子、こんな所に居たのか｣

Snowdin.5→←Snowdin.3

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す