【歌い手】吸血鬼の館で家事、始めました。第1章【吸血鬼】

吸血鬼が10人 ページ11

まだ一緒にいて安心できる人が出来ただけましだ。



「じゃあ、そらるさんの所行こか。色々話ししなあかんやろ」

「うん」


石部屋を出て2人でそらるさんのいる部屋に向かった。


…本当豪邸だなぁ。廊下めっちゃ長いし、部屋の数が尋常じゃない。


いったい何人で住んでるんだ？

「この館広いやんなぁ。俺来たばっかりの時迷いまくった記憶あるわぁ」


「やっぱりそうだよね。この大きな館に何人ぐらいで住んでるの？」


「俺合わせて6人やよ」



…は？え、聞き間違えたかな？

6人？60人じゃなくて？←



うっそぉ、吸血鬼って贅沢してんな。←


てか、それぞれどこいるのか分かんなくなるんじゃない？

掃除も大変そう。



「あのさ、この館の家事とかって誰がやってるの？大変でしょ？」


私が問いかけると、るすはうーんと考え始めた。


いや、そこ分かろうよ…


「大体はそらるさんがやってるねん。多分」


多分、とは。


「そらるさん1人で？」

「うん」

いや、手伝えよ。



「あ、着いたで。ここがそらるさんの部屋」


意外と近かったな。

案内されたドアにそらると彫られた青いネームプレートが掛けられてあった。


コンコンコン


三回ノックしてみる。すると中から


「どうぞー」


と言う少しきだるげな声がした。

"失礼しまーす"と小さく言い中へ入る。




「！あ、3日前俺が連れて来た子じゃん。るすが錠外したの？」


「はい。血を引き換えに外してもらいました。」



そらるさんはベットに座りパソコンをいじっていた。この世界にもパソコンやスマホがあるんだなー。

てか3日前って…どんだけあそこで寝てたんだ、私。





「そっか。あ、そだ。名前教えて」


あー…名前か…。出来ればあんまり関わりたくない人には教えたくないをだよね。


とか言って、言わないと3日前みたいに大変な事になるかもしれない。


…名前だけならいっか。



「新條Aです」


「ん、Aね。じゃあ単刀直入に言うけど…」









困った時って本当に時が止まったように感じるんだね。初めて感じたよ。







"これから三年。この館の家事をやってほしい"

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