10）心から ページ10
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「さっき...質問の仕方を間違えてしまって...」
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「Aさんが髪を切った理由を聞きたかったんじゃなくて....」
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「その....だから.....」
チャンミンくんの、まっすぐな目がこちらに向かう
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「俺は、今の髪型の方がAさんに、似合ってると思います。って言いたかったんです。」
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「今のAさんの方が、好きです。」
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「え......」
「あ、えっと、違います、告白とかじゃなくて...」
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「今の髪型が似合ってるって伝えたかっただけで...」
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「あれ、そもそもこれ質問じゃなかったかも...」
一人で焦るチャンミンくんを見て
会った時に感じた、無愛想なチャンミンくんとあまりにも違いすぎて
ついつい、笑ってしまった。
「.........ぷっ。あはははははは。」
爆笑する私を見て、チャンミンくんは
眉毛をハの字にして、困ったようにつられて笑った。
「俺、変ですか...？」
「うん、変(笑)チャンミンくんが焦ってるの初めて見た(笑)」
「Aさんが爆笑してるのも、初めて見ました。」
「うん、久しぶりに心から笑った。焦ったチャンミンくんのおかげ(笑)」
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「チャンミンくん、さっきは嫌な言い方、ごめんね。」
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「似合ってるって言ってくれて、ありがとう。」
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本当に久しぶりに心から笑った。
自分では、笑ってたつもりだけど
今ので、スッと体が軽くなった、そんな感じ
彼に関わったもの、全て消したくて
衝動で切った、髪の毛
それを、似合ってますって言ってくれるチャンミンくん
心が、温かくなった。
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「戻って、飲み直そうか。」
「そうですね。」
お店に入って、個室の扉を開けようとした時
チャンミンくんの長い腕が伸びてくる
私の肩で揺れる髪の毛を少しつかんで、
さらさらっと流して
またまっすぐに、見つめて
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「やっぱり、可愛いです。」
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そう言って、何事もなかったように席に戻った。
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「.......っ！！！」
な、な、何今の！！！
チャンミンくんて、こういう人なの！？
それとも、韓国の男性って、みんな、ああなの！？
『ヤッパリ、カワイイデス』
頭の中でこだまする
心臓が大きく音を立てるのを
知実が私を呼ぶまで、だまって聞いていた。
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作者名：ちゃむ | 作成日時：2020年8月29日 16時
