Box in the ship -5 ページ10
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あれから一カ月。
夏もすっかり終わり、少し肌寒い秋の始まり。
俺は一人、彼女と出会った海に来ていた。
JJ「俺たち、別れたんだ。
前からうまくいってなくて。
せっかくみんなと仲良くなれたのに
ユチョン、Aのことよろしくね。」
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一週間前、ジェジュンに言われた言葉。
「どうして？」と聞く俺に、
「俺の気持ちが冷めた」と言うジェジュン
少し悲しそうに見えた。
「ユチョン、Aのことよろしくね。」
どんな気持ちで言ったんだろう。
俺の中の彼女への想いは
消えることはなかったけど、
やっぱり二人は好き合ってたんだと思うと、
大事な親友も、大好きな彼女も、
裏切れなかった。
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でも、ずっと俺の中で
輝き続けていた宝物が目の前に現れたら...？
ずっと探し続けていた
ほしいと思っていた宝物が、
目の前に現れたら...？
YC「どうして、ここに…？」
「…ジェジュンに聞いた。
ユチョンならきっとここだって。」
言葉が出てこない
肌寒い風に薄着の俺。
そんな俺に彼女は、
あの日の俺のように背中に手を回し、
ぴったりのパーカーをそっとかけてくれた。
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これ…俺の。
「あの時は…ありがとう。
ユチョン君のおかげで決心できたよ。
それに、気づけたの。」
“決心”
“決心”とは、ジェジュンを
諦めることだったのだろうか。
じゃあ…“気づけた”って…？
俺の考えていることが伝わった。
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「私、ユチョン君のことが好き。
気づいちゃった。」
俺は彼女の言葉には答えず、呟いた。
YC「このパーカーAの匂いがする。」
くしゃっと笑ったAの笑顔、
俺はギュッと彼女を抱きしめた。
もうどこにも行かないように。
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「Aのこと、よろしくね。」
ジェジュンの言葉の意味がちゃんとわかった。
やっぱり、ジェジュンは全部知っていた。
ジェジュンは俺の大事な親友だから。
俺はジェジュンに答えるように
「Aは、俺が幸せにする。」
そう呟いた。
彼女が傍にいるなら、
もうわがまま言わない。
Aと生きるためなら、
望み何でも叶えるよ
探していた俺の宝物、
この世でたったひとつの宝物。
もう、どこにも行かないで。
「A、大好き。」
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Song by 東方神起『Box in the ship 』
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作者名：ちゃむ | 作成日時：2020年5月21日 22時
