Box in the ship -4 ページ9
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「ユ…チョン君…？…私……」
YC「何も言わないで…。
ただ少し、このままでいて…」
彼女は俺の言葉に従って、
それ以上何も言わず、
背中を抱きしめてくれた。
きっと彼女は気づいていた。
俺がAを好きになり始めていたこと。
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それに、俺も気づいていた。
ジェジュンとAがうまくいっていないこと。
それでも、Aは
ジェジュンのことを想っていること。
彼女だけの願いが、
どうか叶いますようにと、
抱きしめる力を強くした。
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どれくらい抱きしめていたんだろう。
JJ「ユッチョーン！Aー！
出てきて〜もう降参！」
ジェジュンの声でやっと俺は彼女を離した。
その声は、岩場の近くで言っているような気がした。
ジェジュンも気づいていたんじゃないかな。
二人でここにいること。
俺がAを好きなこと。
気づいてたのに、
気づかないふりをしたってことは…
やっぱり彼女の願いが叶わないってこと？
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俺にはその方が嬉しいはずなのに、
素直に喜ぶことができない
ジェジュンは俺の大事な親友だから。
俺の大好きなAは、
ジェジュンの彼女だから。
「ユチョン君…」
俺をまっすぐ見つめる瞳。
また負けそうになったけど、
ぐっと我慢した。
YC「みんな待ってる、行こう。」
岩の間から二人で出ると、
『いたー！』と5人が笑った。
さっきまで俺の隣にいた彼女は、
真っ先にジェジュンの元へ駈け出して行った。
俺のパーカーを着たまま。
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すっかり雨は止み、
地平線の近くには今にも沈みそうな太陽。
晴れたり、曇ったり、雨が降ったり。
ころころと変わる夏の終わりの天気。
そんな中で見つけた宝物。
その宝物はジェジュンの隣にある。
届きそうで届かない。
今見えている夕日のように輝いている
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作者名：ちゃむ | 作成日時：2020年5月21日 22時
