SEVENTEENの紅一点 3 (ページ5)

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ウジとマニキュアの話ページ5

Mingyu side

「なにやってんの2人とも…」

俺はただ、ウジヒョンと一緒にご飯を食べる約束をしてたから作業室に呼びにきただけだったんだけど。

「頼むから俺を助けてくれ」
「ミンギュ、今ジフニオッパに触ったら今日一日話さないからね」

ソファーに寝そべったヒョンの前で、Aはヒョンの手を引っ張りながら床に座っている。
残念ながら入り口からは彼女の丸まった背中しか見えず、その後ろから飛んでくるヒョンの視線が痛い。

ヒョンを助けるのと、Aと話せなくなるのとどっちが嫌か天秤にかけるのは…と考え始めた思考を一旦ストップして、ひとまず何をやっているのか見てみることにしよう。

青のライトに照らされた薄暗い空間に身を滑り込ませて近づいてみると、Aはヒョンの手の先に神経を集中させているらしい。
その隣に蹲み込んで、やっとなにをしているのかわかった。

「おお…ヒョンの爪が…」
「かわいいでしょ？」
「かわ…かわいい、多分」

かわいいわけないだろ…とソファーのヒョンは低い声でそう言ったけど、マニキュアに彩られた爪だけ見たら存外そんなことはないように思う。
彼女が持つ小さい筆によって薄い紫色に色付けられて、なんだか花が咲いたみたいだ。ヒョンの白い肌によく合う。

ヒョンの手は白いし指は細いし爪の形も綺麗だし、単体で見れば女性の手に見えなくもない。
ちょっとくらいその大福みたいな白さを分けてくれたっていいのに。

「さっきサロンに行ってきたんだけど、オンニがマニキュアくれたの」
「自分の爪でやれよな…」
「わたしのはオンニがやってくれたんですもん、ジェルだから落とせないし」
「で、なんでヒョンに塗ってるの？」
「寝て起きたらこうなってたんだよ、俺も聞きたいわ」
「だって、作業室覗いたらちょうどいい実験台がいたから」
「なるほど」
「納得すんな」

ヒョンの右手の小指から親指まできっちり塗り終えた彼女はこれでよし、と満足気に呟いてマニキュアのキャップをきゅっと締めた。