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「オッパ、乾くまで動かないでね」
「嘘だろ…」
「頑張ってヒョン」
マニキュアってたしか乾くまで相当時間がかかった気がする。夕飯を食べに行こうとしていたけど、これは予定を変更して出前を頼んだほうがいいかもしれない。
ヒョンの利き手が犠牲になったから、乾くまでは俺だけ食べて……いや、そんなことしたら後が怖いからやめよう。
食に対するヒョンの熱意は計り知れない。やるならVライブ付けるなりしないと。
ソファーに埋もれてため息をつくヒョンを尻目にそんなことを考えていたのがバレたのか、おいミンギュ、と呼ばれてしまった。
「俺を抱えてこの部屋から出てけ」
「ミンギュがオッパに触らないでいてくれたら夕飯奢ってあげる」
「ヒョン…俺の夕飯がかかってるから…」
「俺より飯をとるっていうのかお前」
「大体、ミンギュに抱えられるのはいいの?」
「……背に腹は変えられないだろ」
「嫌なんですね」
どうにか逃げようとしているヒョンだけど、実のところ彼女のおもちゃになっていること自体は嫌じゃないんだろう。いくらAの背がヒョンより高いといっても、いざとなったらヒョンの方が強いし。
本気で逃げようと思えばいつだって逃げられる。
ただちょっと恥ずかしいからこんなことを言っているだけで、まあ一種の言葉遊びみたいなものだ。
俺がこの部屋に入ってこなければ彼女が満足するまでやらせていただろうし。全く、ヒョンは恥ずかしがり屋だなあ。
「ミンギュ夕飯なにがいい?わたしジャージャー麺」
「え〜〜チャンポンと、あとポッサムも」
「オッパは?」
「この手で食えるやつ」
「じゃあチキンと」
「おい」
「冗談だよ〜」
じゃあチャーハンとタンスユクにしとこ、と電話をかけ始めたAは機嫌がいいらしく口角がちょっと上がっている。それを見てるヒョンも優しい顔だ。
ご飯が届くまでの時間、暇すぎるしVライブでもしようかな?タイトルは、うーん、ネイリストと宇宙工場長とミンギュのディナーショーで。
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作者名:cham | 作成日時:2021年2月2日 0時