SEVENTEENの紅一点 3 (ページ13)

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ただ胴体にくっついてぶら下がっていただけのわたしの手の先をぎゅっと握って、彼は力強く一言だけ口にした。

「ありがとう」

それを言ったきり彼はまたジュニオッパの背に顔を押し付けて肩を震わせ始めてしまったけど、わたしはそれがすごくありがたかった。

だってもう、その言葉だけで涙がこみ上げてきてしまったから。

泣いているのはこの人だけじゃない。スニョンイオッパも、スンチョリオッパも、何人かの泣き虫たちも、みんな泣いている。
みんなの涙を拭いてあげたいのに、自分の涙を拭くだけで精一杯だ。

「他に誰かコメントしたい人は⁉」

司会の方に促されて何人かが話して、中国人の2人が話すとわたしまでマイクが回ってきてしまった。
日本人の子も話しなよ！と司会の方が言っている。

メンバーに押されてよろけながら前に出て、マイクを握った手は震えていた。

「ああ…わたしたちのカラット、今日をこんなに素敵な日にしてくれてありがとうございます。代表、事務所の方々、そして家族、SEVENTEENに関わってくださっている全ての皆さんに感謝したいです」

そして、と一つ息を吸い込んで。

『日本から応援してくださっているカラットの皆さん、そして家族に感謝します。ありがとうございます』

日本語で話してしまって本当に大丈夫だったのかわからないけど、もう今は何も考えられない。
話を終えたわたしの肩を抱いたスンチョリオッパの目は、やっぱり涙で濡れていた。でもこれは、拭うべきじゃないね。

アンコールステージの始まりが知らされ、何百回と聞いたイントロが流れ始める。

わたしたちの青春が、やっと花開いた気がした。