「恋」っていうから「愛」に来た【鬼滅の刃】

可愛い。 ページ5

これは、お嬢様がそれなりに頑張って

考え出した結果

可愛くないのでは！？私！？

というとんでもない勘違いをしでかした話

「お嬢様…お嬢様は大変お美しいお方ですので、もう食事を減らすなどはおやめください」

『いいえ、ダメよ！きっと太っているから振られたんだわ！』

「お嬢様、お嬢様はもともとが大変お美しいのですよ？だからお化粧はその辺に…」

『いいえ、ダメよ！可愛くなりたいもの！』

炭治郎に振られてからというもの

失恋の痛みを味わった彼女は

それはそれはもう布団に入っては泣いてを繰り返した

そのせいで寝不足からかクマはひどく

目も泣きはらしたからか真っ赤に腫れていて

見ていられないほどに酷かった

見兼ねたご両親が

もっと可愛くなればいいのでは？

といった旨の話をして

お嬢様は考え直したのである

可愛くなろう、もう十分可愛いと思ったけれど

可愛くなろうじゃないか。

半分はもう負けず嫌いな心にあった

だから必死に化粧の練習をしたのである

毎日、毎日、鏡とにらみ合って

紅をさして、香を焚いて、

大人の女に近づけるように

そのせいで肌は荒れてしまったが

隠せれば問題ないと彼女はただ頑張った

家政婦であるお清さんは

そんなお嬢様の頑張り屋なところが

大きな魅力だと思ったが

お嬢様はちっとも聞き入れてくれないのである

曰く

努力している姿なんてみっともないから見せられない！

とのことである

「ですがお嬢様…なにも口にされてないのは…」

『ええ！もちろんちゃんと食べるわよ！』

食べる、食べると言いながら

箸を取ろうとしない姿は見ていて痛々しい

心配になりお清さんは気が気じゃなかった

もともと細かったために

食事もとらないとなると

ますます栄養失調みたいに思えた

お嬢様も相当、辛かったはずだ

なぜならお嬢様の一番苦手なことは

我慢だったからだ

美味しそうなご飯の前で

自分の欲求を抑える姿は

それはそれは成長を感じたが

頑張るところが違う気がしてならない

「お嬢様…直すべきは容姿ではなく、性格かと…」

お清さんの声はお嬢様には届かなかった

必死に化粧を頑張る姿も

炭治郎を見かけては顔を真っ赤にさせる姿も

こんなに可愛らしいというのに

その性格が邪魔をしているのではないかと。

もう随分と上手くなった化粧に

お清さんは１つ懸念を寄せるのであった

どうか、何事もありませんように。

お化粧。→←誤解。

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