「恋」っていうから「愛」に来た【鬼滅の刃】

誤解。 ページ4

竈門「…………はぁ」

我妻「…もしかしてあのワガママ娘？」

竈門「まぁ…」

我妻善逸は１つ苦笑いをこぼした

あぁ、炭治郎に行かせたのは間違いだったかな

なんて一人で後悔しながら

げっそりとやせ細ったようにも見えるくらい

疲れ切っている彼の横顔を覗き込む

額に大きな傷があるものの

それを足しても確かに、

顔はカッコいいというか、憧れるというか。

女が好きそうな顔に育ったなと

妬ましそうに善逸は眉間にしわを寄せた

そんな炭治郎が言い寄られることも少なくなく

強引に告白されることも多い

最初は困惑したかのように慌てていたが

最近は大変うざったそうにしていた

否、とても苦手にしていたのかもしれない

その原因は全てワガママ娘のお嬢様にあるわけだが

地位があるだけにその権力で

あれやこれやと炭治郎を引き連れ回す姿は

もはや悪役令嬢にも等しい

そして帰ってくるときは決まって

疲れ切った顔をしているものだから

善逸もとい伊之助でさえも慰めるのである

ワガママ娘も顔だけ、いいんだけどな

善逸はあの美しくいじらしい美貌を思い出しながら

声にならないため息を出した

我妻「あの子もね…しつこいすぎると思うよ」

竈門「どうにかならないものか」

我妻「炭治郎、だってさ気付いてないかもしれないけどほんとに酷い音だからね！？」

あの子を見つけた時に

爪で黒板を削ったみたいな

酷い音がずっとしているんだよ

善逸はあの音を思い出しつつ

心底、困ったような音を出している炭治郎に心配を寄せた

流石にこんなに優しい男を

こうも苦しめる女なんぞを好きになれるわけがない

善逸も伊之助も、彼女のことは好まなかった

いつも強い香りがして

汚れなんかもしらない着物で街を歩き

礼儀も知らなければ敬語の聞き方もしらない

ありがとう、の１つも言ったことのないような女だ

面倒きわまりないだろう。

我妻「まぁ元気だしなって…炭治郎。今にもいい人が見つかるさ」

竈門「そしたらあのワガママ娘も諦めてくれるか？」

我妻「諦めるでしょ！」

その時、善逸が発してしまった言葉を

未来の善逸は激しく後悔することになる

この何気ない会話で

二人の恋路はより難解な迷路とかしてしまったのだから

竈門「じゃあ今すぐ見つけてくる」

我妻「は！？」

竈門「大丈夫だ、恋人のフリをしてくれと頼むだけだから」

我妻「いやそれ大丈夫じゃな…」

炭治郎、偽恋人を探す旅にでる

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