甘味屋さん。 ページ8
我妻「いや、食べろよ」
『食べないわ』
我妻「倒れるぞ」
『いいわ』
我妻「よくねぇよ!!!」
甘味屋さんで急いで頼んだのは
手軽なものからであった
痩せすぎは過食症の原因にもなる
どんな奴でもほっておけないところが
善逸の優しさであり
そして鬼殺隊としての鏡である
かなり強引ではあるけれども
茶が出されると彼女は勢いよく飲み干した
礼は一回も言わなかったが!
多分こういうワガママなところが炭治郎は苦手なんだろうな
と善逸は笑顔を引きつらせつつ
ワガママ娘の横暴な態度を流していた
我妻「だいたいなんで食べないの!?」
『今更食べるわけないじゃない!?そりゃ、お腹も空いてるわよ!でも、ずっと炭治郎に会う時のために我慢してきたの!』
うわ、なにそれ、かわいい
と、善逸は不覚にも思ってしまった
顔を真っ赤にさせて我慢する彼女をみれば
相当我慢することが嫌いだとわかる
音だって聞くに耐えたものじゃない
それでも美味しそうだなと思いながらも
我慢してそっぽをむいた彼女は
やっぱり可愛らしかった
ほだされてはいけない、ほだされてはいけないと心で唱えつつ
善逸は串を一本取った
我妻「でもそれとこれとは別!!!」
『この!!あまたれ!!!』
そして躊躇もなくその小さな口に放り込むのである
その紅で色づいた唇に琥珀のみたらしがつく
心底嫌そうに顔を歪ませた彼女は
音を聞かなくてもわかる
相当、不機嫌になっていた
彼女は急いで吐き出そうとするものの
善逸は流石にそれは大変だと思ったのか
咄嗟に気の利いた嘘を言ったのだ
我妻「いいから食べろって!!本当にさ!!栄養失調なんだって!炭治郎はそんな栄養失調な女は嫌だと思う!」
『ん、んぅ』
その言葉を聞いて彼女はおとなしく口を開けた
善逸の髪をむしり取らんとする勢いの右手も
顔に傷跡を残しそうなほど爪を立てた左手も
力が緩んでいた
炭治郎のことが本当に好きなんだな
と、必死に抵抗した彼女をみて思った
すぐに食べようとするあたりも
とても健気だと思える
その顔は困惑に満ちていたが
やはり美味しそうに頰を緩めるのをみれば
相当切羽詰まっていたのかと感じた
我妻「次からは食べなよ?」
『……食べられなかったの。失恋したのが辛くて』
彼女はそういうと隠すようにして
次から次へと団子を食べた
うわ、やっぱり、かわいい。
そう思った善逸であった
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ぬる - ゆきぽん。さんの作る作品大好きです!とくに竈門夫婦の物語は大好きです!これからも頑張ってください! (2019年11月17日 22時) (レス) id: 7767f9a0f5 (このIDを非表示/違反報告)
神美 - 本当に大好きです!!ずっと応援してます!!毎日毎日更新を持ってますよ!!頑張って下さい!!!大好きです!! (2019年11月17日 15時) (レス) id: 4d56545640 (このIDを非表示/違反報告)
プリン星人 - ああああああああ!!好きいいいい!なんなのこれ!!すっごいすきなんだけどおおおお!?更新頑張ってねえええ!! (2019年11月17日 0時) (レス) id: 0fdbe899ee (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 更新ありがとうございます!!毎回本当に楽しみです(o>ω<o) やらかした炭治郎… お父上カッコ良さ気…! お嬢さんの長年の努力と…今度は頑張り屋な炭治郎の前途多難な努力…どうなるのか、すっごく気になります!!これからも応援しております♪ (2019年11月2日 0時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
やの あかね(プロフ) - 一難去ってまた一難、ぶっちゃけありえない。(だがそこがいい) (2019年10月31日 23時) (レス) id: b41524b4b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきぽん | 作成日時:2019年10月8日 1時