煉獄夫婦の波乱 ページ9
煉獄「今日の式は素晴らしかったな！」
『……』
ある女がその憂いを持った瞳で月を捉えていた
窓の中からちょうど覗ける満月は
憎たらしいぐらいよく見えて
不覚にも見とれてしまうほどである
そんな魅力に取り憑かれて
目の前に腰掛ける旦那さんのことなど
微塵も気にしていない奥さんがいた
長い睫毛の下に胡蝶蘭の咲いた瞳を持ち
可愛らしい顔立ちは鈴のような声によく似合う
畳の上に腰掛けていれば
その姿はまるで生け花のようで
こんな女性を妻に迎えられるなど羨ましいこと他ない
煉獄「俺たちは夫婦になったのだから、もちろん一緒に寝るだろう？」
月の夜には明るすぎる
太陽の日差しみたいな笑顔を浮かべた杏寿郎
金色の髪は獅子のように勇ましく
豪快な笑顔は人を惹きつけて離さない
そんな彼に思いを寄せる女性は少なくないはず
どこをとってもお似合いの夫婦だが
奥さんはその旦那さんの顔面に枕を投げつけた
煉獄「へぶっ…！！」
彼らの恋心はすれ違うどころか
まだ芽生えてすらいなかった
杏寿郎だけはその心に淡い恋を抱いていたが
その心を知ってか知らずか
奥さんは無下にもその恋を受け取るつもりはない
煉獄夫婦は政略結婚で結ばれた夫婦だったのだ
杏寿郎は慕っている女性を手にできたのだが
奥さんは苦手なタイプと結婚せざるを得なかった
そんな関係で奥さんは今日もその鈴のような声をしまっている
『……』
煉獄「…すまない、調子に乗った」
なんですか、こいつ
と、言いたげな眼差しで杏寿郎を一瞥してから
寝室から出て行こうとする奥さん。
それを必死に止めようとする杏寿郎の顔は
らしくもなく焦っているように思えた
煉獄「謝るから…せめて共寝だけは…」
彼女を組み敷きたくても出来なかった分
その欲望が煮えたぎっているように思えた
謝っておきながらその瞳の欲は底なしで
静かに燃えているのがわかった
そんな瞳を向けられて奥さんは
その胡蝶蘭の清潔さを保った顔で静かに頷いた
夜はまだ始まったばかりである
煉獄「！？！？」
『？？？』
煉獄「これはっ……違う……！！」
彼、煉獄杏寿郎
まさか共寝をしようと言ったら
寝技をかけられるとは思わなかった
煉獄「共寝だそ！？」
『……だからやってるじゃないですか』
煉獄「これは……寝技だっ！！」
『………何が違うのでしょう？』
煉獄「よもや！！！」
遠のく意識の中、杏寿郎は思った
とんでもない女を嫁に迎えてしまったと。
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みらい - リクエスト、ってできますか?出来たらでいいんですが、継国縁壱を書いてほしいです。更新頑張って下さい (2020年1月10日 20時) (
レス) id: 1eb25293ec (このIDを非表示/違反報告)
akane_朱音 - 善逸の「嘘でしょ……」で草生えた。 (2019年11月4日 16時) (レス) id: 307f7ba1f6 (このIDを非表示/違反報告)
村人 - イチゴいちさん» ありがとうございました！ (2019年10月10日 23時) (レス) id: edc7ee7394 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴいち - 村人さん» このコメ欄の下の方に作者名:ゆきぽん(さん)と書いてありますよね？そこのゆきぽんという字を押すと全作品が見れると思います！！ (2019年10月8日 18時) (レス) id: 86b9e23d57 (このIDを非表示/違反報告)
村人 - 前の作品を拝見したことがあるのですが竈門夫婦の馴れ初めを読み返したくて作者名で検索をかけても鬼滅の刃シリーズにはなくて悲しんでおります。夫婦の馴れ初めをかいたシリーズはどこに行ってしまったのでしょうか？誰か教えてください。 (2019年10月7日 2時) (レス) id: edc7ee7394 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきぽん
| 作成日時：2019年9月1日 0時
