本気ではらましてやる。性 教 育編。【鬼滅の刃】

時透夫婦の波乱 ページ4

時透「……今日はなんの日？」

『結婚して初めての夜ですね』

時透「そういうのってなんて言う？」

『知ってますよ。しょや、ですよね？』

お香でも焚いたのであろうか

部屋に漂う和の香りは

心を軽くさせるような、ずっといたくなるような

そんな不思議な感覚で包んでくれた

夜風が少し暑苦しいのにもかかわらず

甲斐甲斐しく自分の体温は

欲と理性との葛藤で暑くなっていく

そんな無一郎は目の前に座る

極上の菓子のような甘い彼女に目をやった

桜色に色づいた柔らかな唇

そっと闇に持っていかれそうな軽い体

昔から見ていたはずなのに

いつもより断然、美味しそうに見えたのは何故なのか。

時透「……もちろん、いいよね？」

『い、いいですよ』

いいよね？の問いかけに

何が？はご法度である

無一郎はらしくもなくその飄々とした表情を崩し

眉間にしわを寄せて、呼吸を荒くしていた

その顔は中性的な顔立ちであろうが

狼の獲物を前にした姿のまんまで。

隅々まで可愛がってやるという思惑が伺える

そんな男を前にこれから起こることなんて

想像するにはあまりにも容易い。

彼女もその熱が伝わったのか

恥ずかし気にその顔を隠していた

でも、ふとその顔が月に照らされた

時透「……」

彼女が何か、決心したように見据えてきた

これはイエス、ということだろうと解釈した無一郎は

ますます欲が掻き立てられる

すると、小さく唇が触れ合った

一瞬のことで、味も、音も、声も

堪能することはできなかったが

赤りんごのようになった奥さんの顔を見て

無一郎は理性が崩れていく音をかんじた。

なんて可愛らしい奥さんなのだろうか。

『旦那さん…私、幸せです』

時透「……あんまり煽んないで」

『それじゃ……おやすみなさい』

時透「は！？寝るの！？」

奥さんはその可愛らしい顔を隠すように布団に入った

心細い背中を無一郎に向けながら。

その姿を見て拍子抜けするのは当然であろう

時透「まだ何も始まってないよね？」

『え？終わりましたよ』

時透「は！？！？」

『だって…竈門さんの奥さんがキスをすると子供ができるって…』

時透「………妻の性 教 育ぐらいちゃんとしてよ。炭治郎…」

幸せそうに照れくさそうに微笑む奥さんを見て
無一郎は絶句した

まぁ、知らなくてもやればいいと無一郎は思ったのだが

時透「………手が出せない」

不思議そうに覗き込む奥さんの瞳が純粋すぎて手が出せなかった

無一郎の長い夜が始まる

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