本気ではら .ましてやる。【鬼滅の刃】

我妻夫婦の恋文奮闘記 ページ34

昔の彼らはどうであったか

それは積み重なった文通が語ってくれる

我妻善逸様

いかがお過ごしでしょうか

最近、初夏に入り仕事も忙しくなって来ました

善逸さんはお仕事の調子はどうですか？

疲れた際はいつでも訪れてください

追記

善逸さんの為に、巷で噂のアイスクリームを

ひとつだけ隠していますよ



彼女からの文は必ず短かった

それは彼女なりの善逸への配慮であり

お仕事が忙しいだろうという懸念からである

もちろん短い文は彼女の本心を伝えられる訳ではなかったが

代わりに必ず手紙についていた押し花が語っていた

ある時には紫のエゾキク

他にもアガパンサス、アヤメ、アンズ、イキシア…

つもり募った想いを静かに伝えていた

そんな彼らのもどかしい恋に新たな風が吹く




我妻善逸様

善逸さんと文通を始めて5年が経ちますが

善逸さんはそろそろ家庭のことなどをお考えになるのでしょうか。

もし、善逸さんにお相手が出来た時は言ってください

その時は文通をやめにしたいと思います

追記

求婚をして下さった方がいらっしゃいました

それを受けようと思います。


我妻「なっ！！！んでだよぉぉぉ！！！！」

竈門「…善逸、五年も文通を続けて好きの一言もないんだ。仕方ないだろ」

我妻「ぃぁああ！！！本当、最悪！！なにその男！！！俺の方がずっと前から好きだったし！！！
絶対に渡さないから！！！」

竈門「それを手紙にすればいいんだよ」

我妻「簡単に言わないで！！！」

我妻善逸はある人に恋をしてから6年が経とうとしていた

最初にあった時はまだ、年端もいかない少女だったが

次に会った時に美女へと変貌していた想い人に

どうしても奥手になってしまい

手紙でも好きだと一言言えなかった

そんな善逸を結婚適齢期である彼女の親が待ってくれるはずがない

彼女は渋々、婚約を受けるしかないのだ

善逸の本心は言ってくれないので分からない

二人の声は五年の歳月で変わることは無かったが

心はゆっくりとすれ違っていたのかもしれない

その手紙についていた花は花麒麟。

赤く小さな花の集合は彼女の小さな恋心を表していた

我妻「はあぁぁあ…そりゃ美人だもんなぁぁ！！可愛いもんなぁぁ…」

竈門「だから一言、好きと言えばいいんだ！」

我妻「わかってんだよ！！そんなこと！！」

でも出来ないんだよ！と言おうとした

その時、ふと思い出した花言葉

花麒麟の花言葉、それは

"早く、私にキスをして"

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