極秘任務、"性 教 育" 【刀剣乱舞】

寝付けない子に鬼が来る！ ページ10

『私は寝れない人がいたら近くで歌を歌ってさらに眠れなくさせますよ』

そういって沖田組の部屋で

眠れない二人の枕元に座る審神者は

いつもより声が小さい

囁くように消え入るように話す審神者の声は

鈴を鳴らすかのようにか弱くて可愛らしい

結局は優しいじゃんと加州と大和守は思うのである

加州「ねぇ、主」

『何ですか？可愛い加州さん』

耳元でそっとそう言う審神者は

昔、可愛いと言われたくないという加州の

真っ赤な嘘から可愛いとよく言うようになった

まさに思惑どおりである

加州「主は眠れない時にどうして貰ってたの？」

『子守唄でしたね。でも、逆に寝れなくて…』

困ったんですよ

と笑いながらこっそりと言った審神者は

20を超えると言うのに幼くて

頰はとろけそうなくらい緩んでいた

近くにいたら安心するような審神者なのだ

『そうだ。子守唄で寝れなくさせてあげます』

大和守「僕たちだけ聞くのは嫌だな」

『私は極悪人なので、二人だけに歌いますよ』

ナイス！安定！とウインクをかました加州

二人部屋で二つの布団がひかれている

くすぐったいような暖かいような霊気の中

鈴のように奥ゆかしい審神者が

こっそりと二人だけに聞こえるように歌う

小さく、小さく。なるべくゆっくりした声で。

加州「主、もしかして寝かしつけようとしてる？」

『ま、まさか！私はブラック審神者ですよ』

おもわず声を荒げて全力で否定する審神者

豆鉄砲を食らったように驚いて

その静かに輝く瞳が落ちそうなくらい見開かれる

あぁ、寝かせようとしてくれたんだな

優しいな。と幸せを噛みしめる二人

『加州さんは髪を綺麗にしておられますよね。嫌がらせとしてぐしゃぐしゃにしてあげます』

ぐしゃぐしゃ、と称しつつも

優しくとかすように髪の毛を撫でる

なんとも絶妙な力加減で

やっぱりその手のひらからは優しさを感じた

大和守「ねぇ主、僕も」

ただ単にお願い。

嫌だからとかではなく純粋に憧れた思いだった

思わず口から溢れでたセリフに

大和守は驚いたようにやっぱなしと言ったけれど

審神者はなるべく怖い顔を作ってこう言った

『なし、と言われてはやらなければなりません』

なるべくブラックを演じるように言ったけれど

ふつうにお願いを聞き入れたんだなと感じる

幸せだなと思い二人は健やかな眠りについた

夜もある程度ふけたころ、静かに部屋から出て行ってこう言った

『おやすみなさい』

さて、朝になりましたが。→←晩御飯タイム

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