18 欲 ページ18
Aが安心したように眠りにつくのを見届ける。
高熱で床に倒れていた時はさすがにびっくりしたが、大事に至らなくて良かった。
「帰るか･･･。」
顔を上げれば、ふと＿＿壁にかかっている写真に目が止まる。
昔の写真だろうか。
殺風景な部屋の中、装飾が施された額縁が煌めいていて、自然と目に入るようになっている。
そこにはゴモリー家の仲睦まじそうな様子が写っていた。子供の時の彼女は家族に囲まれ屈託なく笑っている。
＿＿＿最初はただの興味本位だった。
滅多に表舞台に現れないが、知らぬ者はいないゴモリー家。そこのお嬢さんたちはどんな子たちなんだろうかと思った。
初日、妹は明るくハキハキした子で、一方の姉の方は、愛想はなく、何を考えているのかを悟らせない子だった。
その後、何度か姉の方と話して分かったのが、あまり感情を表に出さないようにしているように感じた。だから色んな表情が見たくてちょっかいを出してみたら、こっちがどんどんハマっていってる気がする。
これまでの感じ、家族から疎まれて育ってきたのは明白だ。そのせいか自己肯定感が低く、いつでも完璧を求めようとする。それに彼女が心から笑った姿を見たことがない。
だが
しかし家族の話や過去の話になると、よく寂しいような悲しいような遠い目をする。
どうにかしてあげたい。
人にはお節介なくせに、いざ自分のことになると誰にも頼ろうとしない。
頼って欲しい。欲を言えば自分を最初に頼って欲しい。
それだけいつからか、彼女の存在が自分の中で大きくなってしまった。
「はぁ〜。自分もまだまだ若いな。」
はっきり言って、彼女に惹かれ始めているのは事実だ。
今の所、本人は自分のことを優しい同僚か上司としか思っていないだろう。まぁ、今はそれでいい。
彼女はまだ教師として1年目、今一番頑張っている時期なのに自分のせいで仕事を重荷に感じて欲しくない。
「気長に待つか･･･」
Aの黒い綺麗な髪を撫で呟く。
「ごめんね。僕の心を掴んだからには簡単には逃してあげられないかも･･･」
そう呟いたダリは悪魔らしい顔をしていた。
＿
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ヒヨコ(プロフ) - SATUKIさん» 初コメありがとうございます！！ そう言って頂いて嬉しい限りです🙇 こまめに更新とはいきませんが、最新刊が出るごとに必ず更新しますので、応援よろしくお願いします😊😊 (2月27日 2時) (
レス) id: 86aab71ae2 (このIDを非表示/違反報告)
SATUKI - 初コメ失礼します！昨日この作品を見つけさせていただき今さっき、最新話まで読み終わったところなので感想を書かさせていただきました！めちゃめちゃ好みの作品なので、よかったら最新刊が出たらまた書いてくださると嬉しいです！素敵な作品をありがとうございました! (2月23日 18時) (レス) @page46 id: 4bb6778033 (このIDを非表示/違反報告)
寝子／猫 - ゴリゴリ楽しみにしときます！！ (10月21日 0時) (レス) @page36 id: a46c77cf46 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨコ(プロフ) - 寝子／猫さん» お楽しみに😎 (10月17日 12時) (レス) id: 025ddae4e2 (このIDを非表示/違反報告)
寝子／猫 - ､､､もしやミアちゃん､､､いい子やったんか！！大丈夫や！きっと作者がなんらかの手を使って倒してくれるはずや！！(？？？？) (10月17日 2時) (レス) @page30 id: a46c77cf46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒヨコ | 作成日時：2023年10月4日 15時
