陽は落ちている (ページ9)

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セフィラのなりそこないページ9

「……初めまして、管理人」

ネツァクの後ろから顔を出す、面をした一人の職員。
金の髪を揺らしながら面の向こうで笑った気配がした。

「私はリピタ。ネツァクの恋人です」
「嘘をつくなよ……」
「あはは、じょーだんよ、じょーだん。私はセフィラの補佐をしているの。
特にサボりがちなネツァクの仕事を手伝ってるのよ」

彼女は笑いながら管理人と握手をした。
どこかで見たような記憶がある。

≫どこかで会った？
＞初めまして

「……気のせいじゃないかな。
きみは初めてここにきたんでしょう？」
「口説くなら他にしとけ、管理人。
こいつに惚れられると面倒だぞ」
「いやあねえ、私はネツァクにしか惚れないよ」
「……」

ネツァクはため息をこぼすだけでついに何も言わない。

「ま、そういうことよ。
アンジェラの次に頼りにしてくれていいのよ？
今は仕事あるから無理だけど！」

にぃ、とまた面の向こうで笑った気配がした。
彼女はそのままくるりと管理人に背を向けるとそのまま歩いていく。
その途中、ひらりと一度こちらに手を振って、そして外に出て行った。