【イケメン革命】生き残った女の子 (ページ21)

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21.アリスページ21

私と同じような人がいたのかという安堵の方が、自分がパーセルタングだったというこ以上にインパトがったせいか、気楽に胸をときめかせていたAに、ブランさんは謎めいて、そして何となく不安な笑みを送った。

「君には、この『クレイドル』の秘密を、知っておいてもらったほうがよさそうだね」

「クレイドルの秘密…？」

そこでAはブランからクレイドルについて教えてもらった。

クレイドルは西側の『赤の軍』と東側の『黒の軍』の２つの軍によって統治されている軍事国家だということ。

今いるのは、両軍の中立地帯で政治の中心でもある『セントラル地区』だということ

さっきまでいた所は『ガーデン』と呼ばれる国の重鎮が集まって議会、裁判を行う場所だということ

そこは軍の幹部と、議会の記録をとる書記官は立ち入り禁止になっていること

ブランは書記官だということ

赤、黒、各軍の幹部はどちらも『選ばれし13人』と呼ばれ、偉い順から

『キング』『クイーン』『ジャック』『10』
『エース』だということ

ただし、エースは軍の中でも特殊任務を担当する事が多くて、破格の扱いを受けているということ

両軍は、500年も前から対立していること

そして、今夜の議会で決裂したらしく、赤の軍が黒の軍に宣戦布告したこと

ロンドンには、ガーデンの隅に穴があり、そこが２つの世界を繋ぐトンネルで、『科学の国』の物をなんでもいいから１つ持って穴に飛び込めば帰れるが、ただしそのトンネルが開くのは満月の夜の数時間だけに限られていること。

あと、1ヶ月は帰らないということ

最後のことを知って頭がクラクラした。

そこで馬車が急停止した。

「扉を開けろ、ブラン＝ラパン。Aという女が、そこにいるな？」

Aは驚いて、また頭をぶつける所だった。

一体誰だろうか…

「どうやら僕が君を連れ出したのがバレたみたいだ。赤の軍が迎えを寄越したらしい」

「え」

「すぐ終わるからちょっと出てこい。ドアをこじ開けるなんて面倒な真似はしたくねえから」

赤の軍が自分を追いかけてきたのかと思うと、Aはとてつもなく不安になった。

「…行こう、アリス」

ブランはAに馬車を出るように言われた。

しぶしぶ馬車を出ると、馬に乗った2人の男性が私たちの前に立ちはだかった。