ep.56 ページ9
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負傷の剣城をフィールドに出したまま、試合が再開される。剣城が満足に動けない今、それ以外の選手でフォローするしかない。敵陣に切り込む錦に、再びチームザンの選手が三人がかりで止めに入った。
「クロシオライド！」
錦はミキシマックスの必殺技で三人をかわした。ほっとしたのもつかの間、別の選手が、錦の胴体めがけて危険なチャージをしかけてきた。呻き声を上げて、錦が後ずさる。
しかし、雷門の選手がボールを拾い、相手ゴールの前まで運ぶことができた。剣城に無理をさせまいと、錦が化身アームドする。そして脚を大きく振りかぶり、地面を抉るような一閃を放った。
「伝来宝刀！！」
しかし、そのシュートもまた、相手の化身必殺技によって止められてしまった。キーパーはバウンドしたボールを力強く蹴りこみ、チームザンがキラーパスを回す。あまりにも早いパス回しに、私は目で追うのが精一杯だった。
エルドラドのゴール前へ切り込んできたザンの選手が、化身を発動する。化身が大きな槍を振るったその勢いで、シュートを放った。
凄まじい威力のシュートだった。だが、三国は怯むことなく、そのシュートをまっすぐに見据え、必殺技の構えを取った。
「ゴッドハンドＸ！」
勢いを削がれたボールが、三国の手の中に収まった。何とか失点は免れた。いつの間にか呼吸を止めていたようで、私はふっと息を吐いた。
今度はエルドラドの攻撃だ。フェイが敵陣を駆け抜け、化身を発動した。彼は高く跳び上がると、ボールに連続して蹴りを入れ、パワーをこめたシュートを放った。
「無駄だ！」
シュートを嘲笑うかのように、相手キーパーは言った。何度シュートを打っても、彼の化身必殺技に阻まれる。
ミキシトランスを解いた剣城と錦に代わり、フェイと菜花がミキシトランスを発動した。しかし、チームザンの猛攻によってエルドラドチーム０１は身体を痛めつけられ、とうとう失点を許してしまった。
「ゴーーール！！ ザンが先制点を決めたーーーーー！！」
チーム０１の表情が悔しげに歪む。相手キーパーの打開策を見つけられないまま、先制点を取られた。
そのとき、それまで静観を決め込んでいたザナークが動きを見せた。ザナークは、味方であるはずのザンの選手から無理やりボールを奪うと、守備に入った錦をかわし、禍々しいシュートを放った。
「チームザン、追加点を上げたーーー！！」
得点モニターが、０対２に切り替わった。
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はるま(プロフ) - bizyuさん» コメントありがとうございます。とても励みになります！ bizyuさんもあたたかくしてお過ごしください( ¨̮ ) (12月19日 0時) (
レス) id: 99f9ea638a (このIDを非表示/違反報告)
bizyu(プロフ) - とても面白くて時間も忘れるほどに何度も読み返しています！これからもお身体には気をつけて頑張って下さい！ (12月18日 21時) (レス) id: 529a911b17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるま | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/april_hrm
作成日時：2023年11月30日 22時
