7限 sgi ページ7
私の学校は7限まである。土曜日がないと聞いてこの学校に入学したのに、結局勉強時間は変わらなかったし、7限の疲労感といったらたまったものじゃない。
木曜の7限は物理。担当の須貝先生は、私たちの疲れなんか吹っ飛ばしてしまうほど、とにかく明るい。その明るさをウザがる人もいるけれど、私は案外嫌いじゃないのだ。
｢今日は実験やるからな！！前来て道具とってって〜！｣
そう言って、須貝先生は出席番号ごとに班わけをしたけれど、私のグループの他の3人は派手な女の子たち3人組で、圧倒的な疎外感を感じざるを得ない。
3人がいつまで経っても道具を取りに行かないから、結局私が全て準備をしたのに、いざ実験という時になって、3人が急に介入してくる。
｢ねぇ〜！先生できな〜い！！｣
｢ってお前らちゃんとやり方聞いてたか？ここをこうするの｣
｢やってみる！！うわぁ〜できた！私天才！？！？｣
女の子特有の、キャピキャピとした声は苦手だなぁと思う。準備は全て私にやらせたくせに、楽しいところだけ全部持っていくこの子たちの気が知れない。面と向かっては絶対言えないけれど。
｢Aさん！ごめん、私たちよしあきくんに呼ばれちゃってるんだよね〜｣
申し訳程度にそんなことを言って、授業時間が終わると3人はすぐに教室から出ていってしまった。後片付けは、まだ終わっていないのに。
またもや1人で実験器具を教卓に返しに行く。こういう時いつも手伝ってくれる仲良しの子は、体調が悪くて2限で早退。完全に孤独になってしまった私は最後まで教室に残る羽目になった。
私と須貝先生しかいない教室。須貝先生が近寄ってくる足音がする。
｢Aさん、もういいよ？後は俺がやっとくから｣
｢大丈夫です、あとちょっとなので｣
先生に任せてしまうのはプライドが許さなくて、思わず少し睨みながらそう返すと、須貝先生は眉を下げて笑った。
｢頑張り屋さんだね。今日も1人でいっぱい仕事してきつかったっしょ｣
｢…やめてください｣
張りつめていた辛い気持ちに、そっと手を添えられるような。そんな優しい声を出されたら、涙が堪えきれなくなってしまう。
｢あーあーあー、俺が泣かせたみたいになっちゃった｣
｢ナイスガイのくせに｣
｢そうやって反抗しないの。頑張ってること、俺は知ってるから｣
いつもの元気な声とは違う、優しい優しい須貝先生の声が私を包む。先生のゴツゴツとした長い指が、私の涙を不器用に拭った。
8時間目、恋愛 -special stories-→←6限 izw
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てけまる - カルボンさん» 返信遅くなって申し訳ありません。ありがとうございます！楽しみに待ってます！ (2020年4月13日 18時) (
レス) id: b79a1bba97 (このIDを非表示/違反報告)
雨虹(プロフ) - ほんとですか！むっちゃ嬉しいです！だからと言って無理しないでくださいね！ (2020年4月12日 17時) (レス) id: 545198a489 (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - カルボンさん» ぎゃあ！嬉しい！ありがとうございます！作者さんのペースで、無理せずお願いします！ゆったりと待っていますので！ (2020年4月12日 12時) (レス) id: 6ede61fc28 (このIDを非表示/違反報告)
カルボン(プロフ) - 雨虹さん» コメントありがとうございます！海！！個人的には、学校の教室から海が見えるので海は好きです。書かせていただきますね！ (2020年4月11日 15時) (レス) id: 6c016596a7 (このIDを非表示/違反報告)
カルボン(プロフ) - てけまるさん» 雨の日って詩的な情景ですよね…！書かせていただきます！ (2020年4月11日 15時) (レス) id: 6c016596a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カルボン
| 作者ホームページ：
作成日時：2020年3月31日 19時
