2限 kwkm ページ2
久々に熱を出した。頑張って学校に来たはいいものの倦怠感はひどくなるばかりで、2限が始まる前に教室を抜け出した。
何とかたどり着いた保健室。ドアを開けると誰もいなくて、あったのはただいま席を外しております、の札だった。
最悪な体調の中、仕方なく職員室に向かう。気づけば2限は始まっていて、職員室にいる先生は少ししかいなかった。私に気づいて近寄ってきたのは、国語科の川上先生。
｢どうしたの？もう授業始まってるよ｣
｢ちょっと体調悪くて…｣
｢保健室行った？｣
｢行ったんですけど誰もいなくて｣
川上先生には、あまり良い印象を抱いていなかった。淡々と話す感じが何だか冷たそうで、なんでこんな時に限って川上先生が来ちゃうんだろう、と心の中で落胆していた。
｢あー…そっか。じゃあ俺ついてくから、ちょっと保健室で休もうか｣
大丈夫？ちゃんと1人で歩ける？と、川上先生が私にかけた声は、いつもの先生と全然違う、優しい優しい声だった。不覚にも胸がときめく。
保健室に入ってすぐに、熱を測らされた。待っている間、することもなくて初めてじっくり見た川上先生の顔。意外とまつ毛が長くて綺麗な目をしている。妙にドキドキして、目を泳がせていると、川上先生が笑った。
｢なに？緊張してんの？｣
｢緊張なんかしてません！！｣
｢こら、熱上がるから病人は大人しくしとき｣
思わずムキになって返すと、そう先生がたしなめる。その言葉遣いに違和感を覚えた。
｢先生って、関西人なんですか？｣
｢あ、ばれた。たまに関西弁出るんやけど、前の学校で女子に『関西弁で喋れ』ってうるさく言われたから隠してた｣
｢関西弁で喋るの嫌なんですか？｣
｢嫌って言うか、面白がられるのが嫌。でもばれたから、Aさんの前だけ特別｣
特別、という言葉に熱が上がってしまいそうな私。関西弁が恥ずかしかったのか、こちらも少し照れた顔をした川上先生がピピピピッと鳴った体温計を覗き込んだ。
｢7度6分か、1番しんどいやつやな、家帰ってゆっくり休んでな｣
｢先生意外と優しいんですね｣
｢意外って何？そんな俺好感度低いん？｣
｢みんなの前でも関西弁喋ったら好感度上がるかも｣
｢絶対やだ｣
関西弁は内緒やからな？と釘を刺して、川上先生は私を門まで送ってくれた。川上先生に会いたいから早く風邪なんか治そう、なんて思ってしまうくらいには、もう川上先生が心の中にいた。
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てけまる - カルボンさん» 返信遅くなって申し訳ありません。ありがとうございます！楽しみに待ってます！ (2020年4月13日 18時) (
レス) id: b79a1bba97 (このIDを非表示/違反報告)
雨虹(プロフ) - ほんとですか！むっちゃ嬉しいです！だからと言って無理しないでくださいね！ (2020年4月12日 17時) (レス) id: 545198a489 (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - カルボンさん» ぎゃあ！嬉しい！ありがとうございます！作者さんのペースで、無理せずお願いします！ゆったりと待っていますので！ (2020年4月12日 12時) (レス) id: 6ede61fc28 (このIDを非表示/違反報告)
カルボン(プロフ) - 雨虹さん» コメントありがとうございます！海！！個人的には、学校の教室から海が見えるので海は好きです。書かせていただきますね！ (2020年4月11日 15時) (レス) id: 6c016596a7 (このIDを非表示/違反報告)
カルボン(プロフ) - てけまるさん» 雨の日って詩的な情景ですよね…！書かせていただきます！ (2020年4月11日 15時) (レス) id: 6c016596a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カルボン
| 作者ホームページ：
作成日時：2020年3月31日 19時
