1限 fkr ページ1
去年まで大っ嫌いだった数学が、今年は好きになった。数学が、というより数学の授業が。
今年から新しく赴任してきた福良先生は、数学がちんぷんかんぷんだった私でも理解できるくらい、分かりやすい。そして、何だか動きが可愛い。
初めて授業を受けた時から福良先生のことがどうしようもなく好きになってしまって、それからというもの私は数学の質問を作っては先生のところに質問に行っている。
｢福良先生！今いいですか！！｣
今日の一限は数学。朝から福良先生を拝めると思うとワクワクして、早めに教室に来た先生を早速質問攻めにした。
｢えっと、この問題で軌跡求めたいんですけど、パラメータが消えなくて…｣
｢あー、えっとそこはね……ノート借りていい？｣
福良先生が腕まくりをして、渡した私のノートに猛スピードで数式が書かれていく。
福良先生の指綺麗だな。
真剣な表情がかっこいい。
字はあんまり綺麗とは言えないけどそこも可愛いかも……
｢Aさん？｣
｢…はい！何でしょう？｣
｢こっちの式を二乗して、係数比較すればtが消えるんじゃないかな？って言ったの。聞いてた？｣
｢えっ待って、もう1回！｣
え〜、ちゃんと聞いといてよ、と福良先生は苦笑いをする。ごめんなさい、あなたに見とれてたら聞き逃しました、なんて言えない。
｢Aさんさ、数学頑張ってるなって思ってたんだけど、最近ちょっと違うかもって思い始めて｣
｢えっ？｣
｢質問しに来るの、もしかして違う理由だったりする？｣
福良先生は違う理由、を具体的には言わなかったけれど、その顔は全てを見透かしているようで。私は顔から火がでそうだった。
｢いや！別にそんなことはないですよ？｣
｢ふ〜ん、そうなんだ｣
私が焦って否定すると、福良先生は口角をふっとあげる。悪い大人のする仕草に、心臓がバクバクと音を立てた。
それから、福良先生はもう一度問題の説明をしてくれたけど、私はというと今度こそ耳に入ってこない。気付けば一限の開始のチャイムが鳴っていた。
｢あ、授業始まっちゃうから続きは昼休みね？4限終わったら来て｣
高鳴る心臓を抑えて、私はどうにか自分の席につく。今までは授業中でもずっと見つめていたのに、福良先生を直視できない。
起立、気をつけ、礼の合図で頭を下げて、ぱっと頭を上げると、福良先生とバッチリ目が合った。さっきの悪い大人の顔をして私だけを見つめる福良先生。それは、反則です。
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てけまる - カルボンさん» 返信遅くなって申し訳ありません。ありがとうございます！楽しみに待ってます！ (2020年4月13日 18時) (
レス) id: b79a1bba97 (このIDを非表示/違反報告)
雨虹(プロフ) - ほんとですか！むっちゃ嬉しいです！だからと言って無理しないでくださいね！ (2020年4月12日 17時) (レス) id: 545198a489 (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - カルボンさん» ぎゃあ！嬉しい！ありがとうございます！作者さんのペースで、無理せずお願いします！ゆったりと待っていますので！ (2020年4月12日 12時) (レス) id: 6ede61fc28 (このIDを非表示/違反報告)
カルボン(プロフ) - 雨虹さん» コメントありがとうございます！海！！個人的には、学校の教室から海が見えるので海は好きです。書かせていただきますね！ (2020年4月11日 15時) (レス) id: 6c016596a7 (このIDを非表示/違反報告)
カルボン(プロフ) - てけまるさん» 雨の日って詩的な情景ですよね…！書かせていただきます！ (2020年4月11日 15時) (レス) id: 6c016596a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カルボン
| 作者ホームページ：
作成日時：2020年3月31日 19時
