【ツルネ】ハバタケ 〜The Lost Memory〜

27.朝の弓道場にて 2 / セツナ ページ29

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｢……今の、小野木に言えば、きっと揉めたりしなかったよ｣

｢できたら苦労しないよ……｣

｢プライドは投げ捨てたんじゃなかったの｣


冗談めかした口調で静弥は言う。






｢おかえり、湊｣


｢ただいま、静弥｣




〜〜〜〜




｢……ふん｣




｢あっ……｣


突然、小野木くんが歩き出した。山之内くん達が声を上げて引き止めようとするのも構わずに、すたすたすたすたと去って行く。



｢……私達もいこう｣

｢梨可……｣




ユウが一言｢ちょっと心配だな……｣って呟いたきり、私達は教室につくまで口を開かなかった。




ーーーー




今日は、弓道部があまりに憂鬱だから、文芸部に行くことにした。


｢こんにちは〜｣

｢あ、セツナちゃん！ やっほ〜｣


すぐ私に気づいてくれたのは、部長のまっつん先輩。


｢あ、セツナちゃんじゃん｣

｢セツナちゃん久しぶり〜！｣

｢久しぶり。弓道部、だっけ？ あっちはどう？｣


皐月症先輩にラニーちゃん、倫徒(ロンド)くんも声をかけてくれた。村鮫先輩は黙々と何か書いてる。今日は私を入れて6人全員来てるみたい。


｢弓道部ねー。楽しいんだけど、今ちょっと男子がケンカしててさ……｣

｢え、まじで？ 女子が『男子ちゃんとやって！』じゃなくて？｣


ラニーちゃんが棒付きアメをくわえながら話に入る。


｢ラニーちゃん、またアメ食べてる｣

｢そうだよー、今日はメロン味！ セツナちゃんもいる？｣

｢えっ、ありがと！ 今度新しい味見つけたら買ってくるね！｣


メロン味、意外とおいしいや。


｢そういえば、なんでラニーちゃんは文芸部に入ったの？｣


私はラニーちゃんのさらさらミディアムヘアを編み込みでカチューシャ風にしながら聞いてみる。

ラニーちゃんは、んー、と少し考えてから、口を開いた。


｢んー、あたしは何ていうか、こうやって放課後にアメ食べてだらだら喋れたら、実はどこでもよかったりするんだよね｣

｢あっ、そうなんだ｣

｢それで、合致するのが文芸部と漫研だったんだけども｣




〜〜〜〜



※文芸部周辺の設定です！(全力なる作者の捏造)

・文芸部、漫画研究部、美術部の一部、生徒会が合同で、年に5回校内誌を発行

・文芸部では、｢校内誌で使うペンネームで呼び合う｣のが暗黙のルール(漫研もそうらしい)

・ただし、たまに例外もいる。

例えば“まっつん先輩”。
ペンネームは｢みぞれ雪｣だが、名字の｢松永｣から取って同級生から｢まっつん｣と呼ばれており、それが後輩にも移って｢まっつん先輩｣呼びとなった。

28.ラニーちゃん→←26.作戦始動！ / 朝の弓道場にて

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーカラー

あずきいろ

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした！

今日の弓道男子

如月七緒

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