32.模擬試合 ページ34
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山之内くんが振り向いたはずみに、彼の弓が鳴宮くんのおでこに当たってしまう。
「「湊!!」ごめん、おれ、そそっかしくて…………」
「鳴宮くん!」
すぐさま飛んできた竹早くんと、泣きそうな顔で謝る山之内くん。
「大丈夫、何でもないよ」
「ほんとに大丈夫? 見せて」
弓って確かグラスファイバーでできてたよね。打撲とかになってるかもしれない。
「えーっと、出血なし、発熱や腫れも今のところなし。15分後にもう1回、竹早くんに見てもらいな」
「おーい! 弓道部員、集合」
かなり場に不似合いな、ゆるい声がする。
何かと思ったら、滝川さんが顔を出していた。
「今日は、ちょっとおもしろいことをやるぞ」
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どうやら、今日は模擬試合をやるらしい。地区予選の練習も兼ねて、5対5だとのこと。
「……って、滝川さんが入っても人数が絶対的に足りないですよ。あと1人どうするんですか?」
「いや、"鬼の射手"がいる」
「お、鬼……?」
部員全員がハテナを浮かべる中、扉が開く。
入ってきたのは──
「わしのことじゃ」
──なんと、森岡先生だった。
え、森岡先生が、鬼……?
先生が鬼なんて、全くの想定外だ。それに、もし先生が「鬼の射手」とかいうのなら、なぜ教員に……?
私がぽかんとしているうちに、滝川さんはさっさとルールを決めてしまう。
「はい、話し合い始め!」
「「ええぇ〜!?」」
男子の大絶叫が、空に響いた。
ーーーー
「鬼の射手ってどういうことですか?」
「鬼より強いってことさ」
滝川さんはニヤリと笑う。
「大昔の話じゃよ」
「その話、聞かせてください」
梨可が目を輝かせて尋ねると、森岡先生は話し始める。
先生の話に聞き入ってると、滝川さんがとんでもないことを言い出した。
「勝負ってからには賞品が出るぞ〜。負けた方を顎で使える、下僕権だ!」
……はあ?
「げ、下僕!?」
「掃除、日誌、的付け、荷物持ち……何でもやらせていいぞ」
笑顔でさらっと言うなよそんなこと。
乃愛達も、不安そうな表情になる。
「そんな、もし……!」
「勝てばいいんだよ」
勝てばいいんだよって、何と無責任な。
そんな心の声もつゆ知らず、滝川さんは声をかける。
「ほら、やるぞー。おー!」
「「「お、おー……?」」」
うわぁ……と思いつつ後ろを振り向くと、竹早くんと如月くんが反論の相談をして──
「あと1分!」
滝川さんの大声に、2人は慌てて男子の輪へと戻った。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
今日の弓道男子
如月七緒
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Mashiro Lio(プロフ) - そうなんですね!私はこの間友達に相談したら、「いっそのこと全員分書いちゃえ!」って言われました笑笑 (2019年4月13日 17時) (レス) id: 6bdf3daa52 (このIDを非表示/違反報告)
芋ケッピー(プロフ) - 誰を落ちにするかは、私も悩みに悩みましてアンケートにて決まりました笑 (2019年4月12日 23時) (レス) id: 1297cf1d5a (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro Lio(プロフ) - ありがとうございます!実は誰落ちか未定&すごく長くなりそうな予感しかしないので少し不安(笑)なのですが、そう言っていただけるととても励みになります!ご期待に添えるよう精一杯頑張ります! (2019年4月7日 10時) (レス) id: 6bdf3daa52 (このIDを非表示/違反報告)
芋ケッピー(プロフ) - 続きが気になります!湊くん、静弥くん、愁くんとの関係性もまたまた気になります!更新楽しみにしています^_^ (2019年4月7日 8時) (レス) id: 1297cf1d5a (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro Lio(プロフ) - メイリさん» ありがとうございます!こうやって小説上げるのは初めてなので至らない所もあるかとは思いますが、ちょっとずつ頑張っていこうと思います! (2019年4月2日 7時) (レス) id: 6bdf3daa52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Mashiro Lio | 作者ホームページ:http
作成日時:2019年3月4日 22時