21.後悔 (Side S) ページ23
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……いけない。
どうにもいらいらする。
こんな態度で的前に立つのは失礼だ。少し、休憩しよう。
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水筒を出し、ロッカーを叩きつけるように閉める。
事の発端は、登校中に耳にした、誰のものかも知らない言葉。
「今年、外部行った人多いよね」
刹那、
小学生の頃からずっと友人でライバルの、湊の無邪気な笑顔。
いつもその近くにあった、静弥の穏やかな笑顔。
そして……
彼女の、輝くような笑顔を思い出す。
いつも明るく振る舞い、友達だ、親友だと俺達を元気づけてくれた……
彼女も、裏では辛かったのだ。隣の席だったとき、よく泣き言を聞いたから。
そんな辛い中で、彼女はいつも強がって、笑ってた。
俺と同様にあの3人も、それぞれ悩み、苦しみ、もがいていた。辛いことに直面した。
それくらい、解っていたはずなのに。辛いことは一緒に悩み、嬉しいことは一緒に喜んできた、つもりだったのに。
だが、それは「つもり」でしかない。
俺は彼らに、何もしてやれなかった……いや、何もしなかった。誰ひとり、救うことも、引き留めることもできなかった。
結果、楽しかった日常は失われ、4人の関係はバラバラに。彼らは俺を置いてどこかへ去っていってしまい、気づいた頃には、俺は桐先「高校」にたった1人で放り出されていた。
俺は………
──1人になってしまったんだ。
ーーーー
彼女は1度、外部の高校にしたい、と呟いたことがある。今でも忘れない、3年の、初雪の日だ。
俺の驚いた顔を見た彼女は
「なーんてね! 私、愁くんいないと寂しくて泣いちゃうから無理だよ!」
と笑ったから、いつもの冗談か、なんて思っていた。
本当は、あれが彼女を救い、繋ぎとめる機会だったのではないか。
そう思う度に、俺の心は、黒く、醜く染まっていく。押し潰されそうな程の、罪悪感と、後悔に。
どうか、彼らが幸せであるように。そして、彼女の笑顔が曇らず、枯れないように……なんて、もう遅い。俺は、何もしなかった。
けれど。
1度でいいから、彼女に会いたい。そして、「ごめん」の一言だけ、言わせてほしいんだ。
「俺は、どうすればいい──?」
抱えた両膝に顔を埋める。
「どうしたら君を救えた?
どうしたら君を守れた?
何が間違っていた?
俺には、何もわからないよ──
──A」
22.レッツ ミーティング!→←20. 不穏因子 (No Side)
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
今日の弓道男子
如月七緒
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Mashiro Lio(プロフ) - そうなんですね!私はこの間友達に相談したら、「いっそのこと全員分書いちゃえ!」って言われました笑笑 (2019年4月13日 17時) (レス) id: 6bdf3daa52 (このIDを非表示/違反報告)
芋ケッピー(プロフ) - 誰を落ちにするかは、私も悩みに悩みましてアンケートにて決まりました笑 (2019年4月12日 23時) (レス) id: 1297cf1d5a (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro Lio(プロフ) - ありがとうございます!実は誰落ちか未定&すごく長くなりそうな予感しかしないので少し不安(笑)なのですが、そう言っていただけるととても励みになります!ご期待に添えるよう精一杯頑張ります! (2019年4月7日 10時) (レス) id: 6bdf3daa52 (このIDを非表示/違反報告)
芋ケッピー(プロフ) - 続きが気になります!湊くん、静弥くん、愁くんとの関係性もまたまた気になります!更新楽しみにしています^_^ (2019年4月7日 8時) (レス) id: 1297cf1d5a (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro Lio(プロフ) - メイリさん» ありがとうございます!こうやって小説上げるのは初めてなので至らない所もあるかとは思いますが、ちょっとずつ頑張っていこうと思います! (2019年4月2日 7時) (レス) id: 6bdf3daa52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Mashiro Lio | 作者ホームページ:http
作成日時:2019年3月4日 22時