さよなら、Dayflower【あんスタ】

96.わからない by M ページ50

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『処分』を聞いたとき、目眩がした。本当に、目の前がゆらりと揺れた。
『Knights』って聞いてわかった。これは泉さんの仕業だ、って。


真横では、転校生ちゃんが身震いするのが見えた。
ああそうか、きっと泉さんのことが怖いんだ。僕とB組の転校生ちゃんに掴みかかった泉さんを見て、震えながら泣いてたもんね。


恐怖とやるせなさに震える僕らを見ながら、B組の転校生ちゃんは笑う。
ああそういえば、B組の転校生ちゃんも、生徒会の役員だっけ。


｢ま〜くんに『紅月』の衣装が似合うと思えないし？ 明星くんが『fine』って、エレガントさ皆無なのがあの子の長所なのに？｣


……楽しそうだな、B組の転校生ちゃん。
生徒会を負かした僕らが、やっぱり憎いのかな。それとも、ただ嘲笑う対象を見つけて楽しんでるだけなのかな。くつくつと、楽しそうに笑ってる。




｢君たちは勝利したんだ。僕の提案は、そんな君たちに対しての報酬だよ。君たちの才能は、僕の手元でこそ輝く｣


だの


｢君たちの夢を、僕の夢に取り込んであげる。その夢はきっと最大限の輝きを放つよ、この世界の全てを明るく照らす希望になる｣


だのと、わざとらしい言葉を繰り出す生徒会長に対して、


｢何なんです？ それ。
あいつらはじゃじゃ馬ですよ、じゃじゃ馬。誰にも扱えない同士が集まって、せーの！で突進しただけですよ。
こいつらは、こいつら自身でしか上手く扱えない。でしょう？ じゃなきゃ、こんなレベルの才能が、去年1年何してたんですか｣


｢ていうか、それ、本当に報酬なんですか？ 貴方にとってはそうでも、彼らにとって、報酬とは言えないのでは？｣


｢彼らの夢と会長さんの夢は別物でしょう？ 取り込んだら、消えてしまうでしょうに。そうしたら、もうこの世に……というか『アイドル』ってやつに、希望も未来もありゃしない。

だぁから、アイドルは嫌いなんだよ！｣



やっぱり最後には、楽しそうにキャハハと笑って、かなり変わった言葉で僕らを笑う、B組の転校生ちゃん。


でも、さっきは僕達を庇うような発言だってあった。生徒会役員なのに、生徒会長に攻撃すらしていた。



……ねえ、だったらさ。

B組の転校生ちゃんは、一体どっちの味方なの？



明星くんは、何かしら気付いたようで……生徒会長を睨みながらも、何か考えているみたい。

それが何なのか、僕には見当もつかないけれど。

もし、B組の転校生ちゃんが本当に味方だとしたら……なんで僕らは、暴言を吐かれたのだろう。






あの子の本意が、わからない。

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