146 助ける ページ11
大倉side
大「キミ君。おはよ。」
横「おはよ。」
次の日の朝。
キミ君のお見舞いに行くと朝ごはん時やった。
でも全くキミ君は手をつけてない。
大「どうしたん？食べへんの？」
横「食欲ない。」
大「でも薬飲まれへんやろ？」
横「箸持てへんねんっ…」
キミ君の手を見てみると、小刻みに震えてた。
箸も机に転がってるから、頑張ってはみたんやな。
大「またこの症状出てしもうたな。」
横「これホンマに嫌い…」
大「しゃあないな。タツが食べさせたろ。」
横「自分でタツって言うな。」
大「ええから。あーん。」
キミ君が困ってる時は俺が助ける。
当たり前やけど、大事なことやろ？
大「全部食べれたやん！良かった。」
横「けど美味しくない。タツの料理がええ。」
大「じゃあ、退院したらいっぱい作ったる。何がええ？」
横「独り言野菜スープ。」
大「分かった。しっかり用意しとくわ。」
横「楽しみにしとく。」
大「じゃあ、俺ちょっと行かなアカンから。また来るな。」
俺がキミ君と別れて向かったのは、火事が起こった前の家。
そこには、他のメンバーも集まってた。
大「わざわざありがとう。」
安「ちょっとでも何かあったらえな。」
俺達は丸焦げになった家に何か残ってないか探しに来た。
俺はあまり期待してへんけど、ちょっとでも見つかればええな思う。
村「じゃあ、入ろうか。」
俺達はまっ黒焦げな家に足を踏み入れた。
錦「やっぱ匂いすごいな。」
丸「何日かに分けてちょっとずつやった方がええんちゃう？」
大「そうやな。」
俺達はそれから出来るだけ毎日この家に来て使えるものを探し続けた。
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作者名：那奈 | 作成日時：2018年12月15日 22時
