145 輸血 ページ10
横山side
俺の意識が戻ってから数日後。
また再生不良性貧血の治療が始まった。
医「今回の治療は、薬の投与に加えて輸血も行います。」
横「輸血って大丈夫なんですか？」
医「基本的には問題ないですが、万が一副作用が出た場合は直ちに治療を中断します。」
横「分かりました。よろしくお願いします。」
医「では、お薬入れていきますね。」
横「あっ…」
完全に忘れとった。
薬入れる時、針刺されるやん！
医「すぐに終わりますからね。」
横「はいぃ…」
先生も子供相手に点滴しとるみたいな喋り方やん。
医「はい。終わりましたよ。」
横「いたぁ…」
俺の腕には前よりも多い点滴が打たれた。
横「いっぱいやなぁ。」
先生が病室を出ていって喋る相手もおらへんから、お腹の子とずっと喋ってた。
横「針痛いんやけど、どうしたらええかな。でも早く治すためやもんな。」
大「キミ君。何をブツブツ一人で言うてんの？」
横「え!?いつからおった!?」
大「さっき。」
横「恥ずかし…」
大「何か腕にいっぱい刺されとるやん。」
横「これ痛かってんで！」
大「一人で頑張ったんや。」
横「まぁな。それで何か今回は輸血すんねんて。」
大「それ大丈夫なん？」
横「俺も思うたけど、大丈夫なんやって。副作用が出たらやめるらしいけど。」
大「そうなんや。はよ退院出来たらええな。」
横「俺、毎月入院してる気がするわ。」
大「確かに。俺、家で一人は寂しいんやで？」
横「そう言えば、あの家どうなった？」
大「んー…もう住めへんかな。今は違う家借りてる。」
横「…俺のせいでごめん…」
大「キミ君は何も悪くないよ？」
横「でも…」
大「気にすることないの。赤ちゃん産まれたらまた新しい家買お？」
横「うん。ありがとう。」
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作者名：那奈 | 作成日時：2018年12月15日 22時
