166 大丈夫 ページ33
大倉side
キミ君が入院して1週間が経った。
徐々に入院生活も慣れてきて、体の異常も見られんくて一安心。
当の本人は暇で暇で仕方ないみたいやけど。
大「ゲームも漫画も持ってきたやん。」
横「だってゲーム全然クリア出来ひんし、漫画も全部読んだし。」
大「もう、ワガママやな。でもここにずっとおるのもなんやし、外行く？今日俺オフやからゆっくり出来るし。」
横「行く。」
大「ゆっくりやで？」
ベッドから起き上がるのもやっとやねん。
いっつもヒヤヒヤする。
横「よいしょっ…ふぅ…行こ。」
外はめっちゃ景色が良くて、ベンチもあるからホンマにリラックス出来る。
大「ええ風や〜！キミ君も久しぶりに外出たんちゃう？ベンチ座ってゆっくりしよか。」
ということでベンチでまったりタイム。
横「なぁ、タツ。」
大「んー？」
横「この子に障害あったらどうしよ。」
大「そんなん気にせんでええって前にも言うたやろ？」
6ヶ月ぐらいやったかな？
キミ君が高齢出産ってこともあって先生から羊水検査の資料をもらってきとった。
でも俺はそんなことする必要ないってキミ君を説得させた。
大「例え障害があっても俺らの子供には違いない。ちゃんと愛情注いだるねん。」
横「うん。そうやな。」
大「やから、もうその事は考えんでええの。」
横「ゴメンな。ちょっと怖くなってきたから、そんなことばっかり考えてまうねん。」
大「やっぱり陣痛とか怖い？」
横「どれくらいの痛さか想像も出来ひんし、ちゃんと産まれてきてくれるかとか。」
大「俺も陣痛とかのことは全然分からへんけど、この子らは元気に産まれてきてくれるで？大丈夫や。俺らの子やもん。」
横「そうやんな…ありがとう、何か気が楽なった。」
ええねん、俺はこんなことしか出来ひんから。
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作者名：那奈 | 作成日時：2018年12月15日 22時
