CHUDOKU

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「…藤ヶ谷くんが思ってるような
私じゃないよ？」


「…え？」


「…藤ヶ谷くんの前ではいつもカッコつけてた。
年上だし、できるお姉さん演じてた。」



そう言うAの声は少し震えてて。

今にも泣き出しそうだった。



「…演じなくてもいいのに。
どんなAも好きだよ。」


トントンと子供をあやすように背中に手を当てた。



お酒が入ってたから？

久しぶりに二人きりになれたから？



今日のAはやけに素直で子供みたいで
すごく可愛い。



「…子供扱いしてるでしょ？」


「…ふふふっ、してる。
だって、可愛いから。」


「…いつも可愛くないみたいじゃない。」



拗ねたような声も

可愛いく思えてしまう。


いつものAじゃない。

なんなんだ。

愛しさが爆発しそう。




「…愛しいんですけど。」


「…へ？」



俺の発言に間の抜けた返事をする。

目を丸く見開いて俺を見てる。



「愛しいって言ったの。」

「…愛しい？」


「そう。」

「……そう。」



酔ってるから処理するのに時間がかかってる？

あまりにもびっくりしてるから笑ってしまった。



「大丈夫？俺の気持ち届いた？」


「…覗き込まないで。届いたから。」



ソファーに座り直して

髪を整えるA。



あれ、またいつものAだ。

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