【青の祓魔師】天才祓魔師２ (ページ26)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:1,987 hit

７６ページ26

・
・
　認定試験からいくらか日が経って、季節もいつしか夏になっていた。世の中は夏休みで浮かれた学生であふれていた。

「さぁ、お前らは先日の候補生認定試験に見事合格したわけだが、明日から楽しい楽しい夏休みだな」

先生はなんだか嬉しそうに話している。

「だが、お前らには明日から三日間林間合宿に行ってもらう。各自準備をして集合時間に遅れないよう集まってくれ」

林間合宿か。剣技を実践で使う時が来た。白や銀がいるからといっても、何が起こるか分からない。明日から気合を入れていかなければ。家に帰ると食事や風呂を済ませて、実戦訓練用にと借りた刀を手入れを終えると明日に備えて早めに寝ることにした。

　その日の夜中、物音で目が覚めた。どうやら師匠が任務から帰ってきたらしい。ちょうどのどが渇いたのでキッチンに向かおうと部屋から出たところで話し声が聞こえてきた。

「電話かな」

「うん。今のところは…。分かってるよ。ぼかぁ人間に情なんて…。うん。じゃあ」

声が小さくてところどころ聞こえなかったが、なぜか私はその話を聞いてはいけないような気がして再びベッドへと戻った。

　目覚まし時計のアラームで目を覚ますと、重たい瞼をこすって起き上がり、朝食を作るべくキッチンへと向かった。

「あ、おはようA。今日から合宿だったね」

「おはようございます。今日から三日間です」

「そっかぁ」

「そういえば昨日…」

誰と話してたんですか、と聞こうとして口をつぐんだ。聞いてはいけない、そんな気がして。

「何でもないです。それより師匠、私がいない間もちゃんとお風呂に入ってくださいね」

「はぁい、ママ」

　いつもとは逆で私が師匠に見送られて家を出ると、集合場所へ向かった。