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雪男が呟くと、それに続いてライトニングは話を進めた。

「そこで聞きたいんだ。君たちからみて彼は信用できる男かな?」

候補生たちに問いかけるが、室内はシンと静まり返った。

「あれ?君たちって彼と親しいんだよね?」

沈黙を破ったのは燐だった。

「…信用なんてできるわけねーだろ」

「奥村!」

「おやおや!?らしくないな。いつもの貴方なら志摩は俺たちの仲間だ!!とか叫ぶところでは?」

勝呂やメフィストは予想外の言葉に焦った様子で問いかける。

「違う!!お前だよ!!」

しかし、燐の言葉は志摩ではなくメフィストに向けられたものだったようで、カッと目を見開いてメフィストを指差した。

「私ですか!?」

「そもそもお前が信用ねーから志摩が疑われてんだろーが!結局自分の手下だったくせに志摩を裏切者とか言いやがって…!!」

「おや、正論」

「コイツの言うことも一理あるわ。フェレス卿があたしの妹を匿ってくださってたことは感謝しています。でも、どうして教えてくれなかったんですか!?それだけじゃないわ。志摩は藤堂に勧誘されたって言ってた!だったら不浄王の左目が奪われる前に藤堂が裏切者だって知ってたはずよ!」

すっかり論点がずれた話し合いを聞く気にもなれず聞き流していた。

「…A?」

ハッと我に返り周りを見てみると、みんながこちらを見ていた。どうやら私に話が振られていたようだ。

「キミ、ちょっとたるんでるんじゃない?何のためにここにいるか、もう一度しっかり考えた方がいいよ」

わざとらしく大きくため息をはくライトニングに対し、私は眉間に皺を寄せて睨みつける。

「…」

「まぁまぁ、子弟喧嘩はその辺にして。神村さんの意見を聞きましょう」

「…で、キミは志摩くんのことを信用できるの?ここ数か月一緒にいてどんな印象をもった?」

「私は…」

正直、志摩のことなど1ミリも信用していない。寧ろ憎んでいるくらいだ。

「私は、志摩くんのことは信用していません。ですが、彼を信用するという候補生たちのことは信用できると思います」

「そう…」

ライトニングは少し考えるそぶりを見せると、「じゃあ、そろそろぼかぁオイトマしようかな」と言って椅子から立ち上がった。

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作者名:ナハト | 作成日時:2024年2月20日 1時

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