好きじゃないよ、絶対 (ページ15)

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『私はさっきあなたが言ったように、あなたのことを好きじゃない。それは今も。嘘ついてごめんなさい。でもそれは檜山くんを巻き込んでいい理由にはならないし、嘘の噂を流していい理由にはならない。そういうことをする人とは付き合えない。』

声が震えないように必死に彼に伝えた。
彼は途中で怒った表情に変わったが、私は気がつかないふりをして言葉を紡いだ。

［じゃあさ、俺とやらない？溜まってんじゃないの？］

ヘラヘラとして、まだそんなことを言い出す彼に呆れた。
それと同時にここにいてはいけない気がした。
そんな気持ちとは裏腹にだんだん壁に追いやられていく。
迫ってくる彼、荒い息。
朝から盛るなよ、と他人事のように考えた。
どれだけ首を横に振ろうとしても男の力にはかなうことなく、頭を固定される。
これは私が始めた話なんだ。
私が悪いんだ。
あの時断らなかった私が。
自分が悪いと言い聞かせて目をぎゅっと閉じて覚悟する。
だんだん近づく唇と顔にかかる荒い鼻息。
気持ちが悪いのに拒絶ができない。
触れた唇は妙に潤っていて、生々しい温度を感じて気持ち悪かった。
何度も何度も重ねられる唇。
早く逃げたくて仕方がなかった。
先生でも誰でもいいから助けに来て。