好きじゃないよ、絶対 (ページ12)

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西野Aちゃーん💕︎
やっぱりまた俺と付き合いたいって思ってた？笑
檜山と浮気したことは許してあげる
また付き合ってあげてもいいよ？笑

そんなメールが届いた朝、学校に行きたくなくて珍しくズル休みをした。
川谷ちゃんからは［大丈夫？］とか［お見舞い行ってもいい？］とか色々メールが来ていたが、なんとなくスマホを開く気になれなくて既読をつけなかった。
最低でごめん。
ただ、あの気持ちの悪いメッセージを目に入れたくなくて。

『なんなんだろ、ほんとに。』

自分の思い通りにいかなかったら、根拠のない噂を流して自分はクラスの人気者風に居座る。
気持ちが悪い。
断れば今回はどんな嘘を流されるのだろうか。
その時、川谷ちゃんと檜山くんはどんな顔をするのだろうか。
川谷ちゃんは私と友達でいてくれるだろうか。
檜山くんにはどんな顔で拒絶されるのだろうか。
立場というのはものすごく怖いもので、私のように存在感の薄い存在が何かを否定したところで誰かの耳に届くことはない。
私の場合、ある意味存在は濃いのかもしれないが。
ただ、発言力のある人間が発する"面白い噂"というのはすぐに広がる。

ぼーっとする頭でぼんやり今後について考えていると、電話が鳴った。
相手を見るのが怖かった。
だが、もし川谷ちゃんだったら申し訳ない。
寝ていたと言えば気にされることもないが、私の性格上、嘘はつけない。
相手は川谷ちゃん、安心した。
安心して電話をとった。

『もしもし、西野です。』