好きじゃないよ、絶対 (ページ13)

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［川谷だよ、元気？］

優しい声でそう尋ねるのは川谷ちゃん。

『うん、元気だよ。』
［よかった、休んでたから心配になっちゃった。］

顔は見えないが、安心したという声色だった。
ただのズル休みに心配させて悪いなあ。

［今日の授業の内容、送る？］
『今日川谷ちゃん塾でしょ？大丈夫だよ。ありがとう。』
［あ、あのさ、高橋くん、彼女と別れたらしいよ。何かされたらすぐ言ってね。］

だからか。
私に復縁を迫ったのは。

『分かった。ありがとう。電話も。』
［うん、明日は来れそう？］
『明日は行けると思う。』
［待ってる。］
『ありがとう。』

そう言って電話を切る。
あの人は多分、私を好きになったんじゃない。
多分、こいつなら付き合えるだろうと思って私を選んだんだ。
その後すぐに私より可愛い子を見つけて付き合ったんだ。
それを正当化するために私が浮気をしたから別れたと変な噂を流したんだ。
でも可愛いあの子と別れたからまた私のところに帰ってきたんだ。
私が言うのも失礼に値すると思うが、顔だけは悪くないから初対面で付き合ってと言っても、私のように経験のない子は付き合ってくれる。
私の場合、理由は顔ではなく好きだと言われたことによる喜びなのだが。
つくづく自分が嫌になる。

この話、早く片付けた方がいい気がする。