質疑応答、みたいだ。 ページ9
─
多数のお気に入り登録や評価にコメント、ハート等誠にありがとうございます。
＊＊
「人を殺しちゃいけないと思うか？」
「そりゃそうよ」
「どうして？」
「そんなの、自分が殺されたくないからでしょ！？
他人にされて嫌なことは他人にするなって習わなかった！？」
「…………」
ダメだよ、そんなんじゃ
「それだと、殺されても良いやつは殺しても良いってことになる」
ほら、そういう反論ができちゃう。
「あんたは、柏さん？
人を殺したり、殺したいと思ったことは？」
「やめて、やめて……！」
その声があまりにも悲痛で、追求するのを遮った。
「やめなよ。話聞きたいくせに、無理に追い詰めて意味あるの？」
「……お前はどうなんだ、嬢ちゃん？」
「明確な答えは思い浮かばないけど、さっきの露木さんのに反論的なのはできるかな」
何でよ、という言葉に、少しだけマフラーを引き下げる。
「自分の命に全く価値を見出だせない人間って、いるので。
さっき犬堂さんが言ったみたく、『自分は殺されてもいい』って思ってる人のことですね。
そういう人は必要性さえあれば他人の命だって簡単に奪える」
意識して、ゆっくり瞬きする。
「寧ろ殺してほしいから、他人を手にかけるんじゃないですかね。
行き着く先は処刑台なんですから」
言い終えて、ああ、と思い付いた。
「人を殺したらダメな理由、今思いついたので良ければ。
処理が面倒だから」
淡々と述べると、俺はね、と熊田さんが言う。
「遺された人が、家族が悲しむから」
…………耳が痛いや。
悲しむ家族が居ないなら殺してもいいのか、と言い返す犬堂オトヤにそれは屁理屈と笑顔で言った。
ナイフの向こうに、坂本さんが何かを伺ってるように見ていた。
「……」
今度は淡路さんに問い募る。
「だって、捕まるだろ……！罪になるから皆やってないんだよ！」
そーれもなんか違う気がするな。
「どうしてだ、教えてくれ！
どうして、人を殺しちゃいけないんだ！？」
「いけないってことはないんですよ」
……え？
「いけないってことは、ないんです」
静かに、響き通った。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 217人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
camellia*(プロフ) - ほこりさん» 嬉しすぎるお言葉がぎゅっと詰まってて感動しています……作成当初は自分でもここまで規則正しく更新できるとは思ってませんでした笑 今後も何処かでお会いできた際にはお付き合いいただけたら幸いです。ありがとうございました！！！ (9月24日 18時) (
レス) id: 24ff41186f (このIDを非表示/違反報告)
ほこり(プロフ) - 完結おめでとうございます！今日で丁度ぴったり1ヶ月なんですね…長いようで短かったです。最初から最後まで全部面白くて…最高でした！またお会いできることを願っています。 (9月24日 17時) (レス) id: 1ad3c07b3d (このIDを非表示/違反報告)
camellia*(プロフ) - kagamikoto08さん» コメントありがとうございます。愛珠さんについてなのですが、ドラマ版では仰る通り妹ですがコミックでは姉となっています。手元にあるのがコミックで、そちらに沿って書いているので今作では姉と書かせていただくことをご了承願いますm(_ _)m (9月16日 13時) (レス) id: 24ff41186f (このIDを非表示/違反報告)
kagamikoto08(プロフ) - 更新待ってました！愛珠ってガロの妹だったと思いますので確認よろしくお願いします！ (9月16日 6時) (レス) @page32 id: 7c6ddcdea9 (このIDを非表示/違反報告)
camellia*(プロフ) - あきらさんさん» コメントありがとうございます！ 倉野ちゃんは特に思い入れも掘り下げも深いキャラなので嬉しいです……！ 早い内に本編で皆様のお目にかかれるよう頑張ります！！ (9月10日 0時) (レス) id: 24ff41186f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：camellia* | 作成日時：2023年8月24日 18時
