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「＿＿＿＿＿と、いう事で御座います······よくぞご無事でいてくださいました、A様。
貴女が生きていると知れて、この老いぼれはとても嬉しゅう御座います」
生きていて良かった、と涙を浮かべるリーズさんに頬を撫でられる。
しわしわの手の温もりに胸が締め付けられる。たった一人で守ってくれた。この国を、両親を、私を。
「どうか泣かないでくださいませ。貴女のご両親も、きっと笑顔を望んでいるはずです」
そう言って指差す方向には、一際大きな墓石が２つ並んであった。
花が活けられたその墓石に刻まれているのは、紛れもない私の両親の名前。
手に触れる石は冷たいのに、周りの空気は包み込まれているように暖かくて安心する。
どうしようもないくらい暖かくて、泣きたくなって、地面に膝をつけて一心不乱に泣いた。
「っ、うぅ、ぁ、あぁ······！」
私、愛されてたんだ。生きて良かったんだ。
とめどなく溢れる涙を伝う頬に、暖かな風が吹く。ふわりと香る潮の香り。
その匂いを嗅いだ途端、どうしようもなく船に戻りたくなった。
今の私の居場所。私を受け止めてくれる仲間がいる。そして、船長も。
「お父さん、お母さん。今、私幸せだよ······優しくて、強い人に出会えたから。
＿＿＿＿＿＿私をこの世界に産んでくれてありがとう」
一生懸命生きるよ、だから見守っていて。
精一杯の笑顔をつくり、墓石に背を向ける瞬間、うっすらと人影のようなものが見えた気がした。
＊
＊
「A様、どうかこれを持っていってください」
リーズさんがそう言って差し出したのは不思議な模様と薄水色の実だった。元々王家に伝わる悪魔の実だそうだ。リーズさんが石を集めている際、城の瓦礫に埋まっていたらしい。
「"ユラユラの実"です。食べるも持っておくも貴女が決めてください」
さあ、お迎えが来たようです。
そう言って指差す方向には、鬼哭を携えた船長がいた。駆け寄っていきたい衝動を抑え、リーズさんの方を振り返る。
「リーズさん。生きていてくれて、ありがとう」
貴方にお母さんも私も、この国民も救われた。
そう言うと、彼は幸せそうに笑ってくれた。
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水飴(プロフ) - 琴葵さん» 初めまして、コメントありがとうございます！とても励みになります···！ゆっくりと更新していきますので、気長にお待ちいただけると嬉しいです！ (7月31日 10時) (
レス) id: bc02f2c7ae (このIDを非表示/違反報告)
琴葵(プロフ) - この作品を何度読み返しても､心の動きに惹かれ検索をかけても無意識に辿り着く作品です。ONEPIECEを最近知り､パンクハザード編を見終えた新参者ですが、更新これからも楽しみに待っています。どうかご自身のこと優先でお体に気をつけてお過ごし下さい…！ (6月25日 8時) (レス) @page16 id: 2a7eef1005 (このIDを非表示/違反報告)
水飴(プロフ) - もちふわさん» コメント有難うございます！ご指摘有難うございます、直ちに直させて頂きます！ (2022年11月13日 14時) (レス) id: 4efe73e95e (このIDを非表示/違反報告)
もちふわ - 指摘です。前作のprofileのところの容姿のところにタトゥーや刺青って書かれてるけど、タトゥーと刺青は同じ意味ですよ。 (2022年11月13日 13時) (レス) id: 33de98826c (このIDを非表示/違反報告)
水飴(プロフ) - さくにょ＠テスト終了まで低浮上さん» さくちゃぁぁんありがとう〜！！私も予期してなかったけど続編行っちゃった！完結まで突っ走れるように頑張るねぇぇ！！！ (2022年10月9日 10時) (レス) id: 4efe73e95e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水飴 | 作者ホームページ：https://twitter.com/mxa_1031
作成日時：2022年10月8日 21時
