レベル38 ページ40
「キャプテン！！」
大変だよ、と慌てた様子のベポが船長の部屋に走っていくのが見えた。もうそろそろ目的の島に着く頃なのにどうしたのだろうか。走り去り際、私の方を見たベポが何だか泣きそうな表情をしていた気がした。私の思い違いだと良いけれど。
「A」
「あ、シャチ」
ベポと一緒に船の操縦をしていたはずのシャチがリビングに入ってきた。
どうしたの、と聞こうとした時、いつものように明るいシャチではなく、至極真面目な表情と声色をしていた。
「なあ、本当に行くのか？」
「うん」
最後の確認だとでも言うように訊ねてきたので、私も真面目に答えると、シャチは私の腕を引いて甲板へと歩き出した。
「······！！」
船の扉を開けて甲板からシャチが指差す島の方を見ると、もう13年前の面影は全く無く、視界に映る全土が焼け野原になっていた。停泊所近くに植わっていた木も、触れれば塵となって風に吹かれて消えてしまいそうなほど黒く焦げていたり、枯れている。
とても人の住める場所ではない。
島として見れば、あんなにも栄えて活気のある国だったのに。
「っ、待て、A！」
13年前、この島を出る時にこの船から見た島からは建物が見えていたのに、今となっては一軒も見えなかった。更地になってしまったのだろうかという不安と共に、私の両親が存在した証すらも消えてしまっていそうで怖くなった。
急に走り出した私を制止するシャチの声を聞かず、私は船から降りようとした。
後ろから追ってくる彼を止めたのは、ドアの側で立っていた船長だった。
＊
＊
「キャプテン！」
「止めんな。行かせろ」
「でも、あいつの顔＿＿＿＿＿」
泣きそうだった。
そう言いたげなシャチの言葉を遮るように、ローは言葉を重ねる。
「あいつが向き合うと言ったんだ。おれらに止める権利はねェ」
「······はい」
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水飴(プロフ) - なつみさん» 初めまして、コメントありがとうございます〜！作者の私情の関係にもよりますが、いずれはどちらも書かたら良いなと思っておりますので、お楽しみにして頂けたらと思います！ (2022年9月16日 0時) (
レス) id: 4efe73e95e (このIDを非表示/違反報告)
なつみ - どっちもみたいです!!!! (2022年9月15日 20時) (レス) @page25 id: dfa30137f5 (このIDを非表示/違反報告)
水飴(プロフ) - さくにょさん» コメントありがとうございます！頑張ってどちらも書けたら良いなと思っています😌 (2022年9月12日 21時) (レス) id: 6a94704c3e (このIDを非表示/違反報告)
さくにょ(プロフ) - エース、コラさん・・。どちらも気になりますね・・！ (2022年9月12日 21時) (レス) @page25 id: 075aa05b66 (このIDを非表示/違反報告)
水飴(プロフ) - グエグエさん» 初めまして、コメントありがとうございます〜！私のやる気があればいずれどちらも書くと思いますのでお楽しみに...！ゆっくりと更新頑張ります！ (2022年9月12日 11時) (レス) id: 6a94704c3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水飴 | 作成日時：2022年8月20日 16時
