No.6 ページ8
お茶会に参加して一時間ほど経った頃、ハンターの館に誰かが来たらしく、玄関が騒がしかった。
気にしつつも隣の女性＿＿＿＿マリーさんの話に相槌を打っていると、ドアが荒々しく開き、ナワーブの姿が見えた。
「おや、お迎えが来たようですね」
「此処にいたのか······おいリッパー、お前Aに何もしてないだろうな？」
鋭い視線でリッパーさんを捉える彼の目は、戦争中に何度も見た冷徹さと怒りに満ちていた。
私の為を思ってそう言ってくれているのは分かっているけれど、今にも彼の首を切り落とそうとする視線に焦りを感じて、慌ててナワーブをなだめた。
「ナワーブ、大丈夫だから······すみません、そろそろ失礼します。お茶会に誘ってくださってありがとうございました」
「こちらこそ。また誘わせてくださいね」
二人に感謝と別れを告げ部屋を出ると、ナワーブは私の安全を確認するかのように肩を掴んで顔を覗き込んだ。私の知っている少年の頃よりも、大人びて凛々しくなった顔立ちをしていた。
「本当に何もされてないんだな？」
「うん、大丈夫だよ。もしかして、心配して来てくれたの？」
「そりゃ、試合直後に姿が見えなくなったら心配するだろ。ただでさえお前は此処に疎いから、迷子にでもなったんじゃないかと思ったんだよ」
どうやらかなり心配させてしまったようだ。申し訳ないと感じると共に、嬉しくもあった。こうして私を気遣ってくれる所は、あの時から変わらない彼の良いところの一つだ。
「ごめんね、探してくれてありがとう」
「おう」
ほら、早く帰るぞ。
夕日に照らされたナワーブの表情は、今まで見たどれよりも柔らかく見えた。
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水飴(プロフ) - 【湖の宝石】さん» 初めまして！旧作も見てくださってたんですか！？ありがとうございます···！お待たせさせてしまいますが、ゆっくり書いていきますので、旧作との違いを楽しんでいただけましたら幸いです！ (2022年6月23日 20時) (
レス) id: 6a94704c3e (このIDを非表示/違反報告)
【湖の宝石】(プロフ) - リメイク前の方も見ていたのですが、また見られるなんて嬉しいです！更新頑張ってください！ (2022年6月23日 7時) (レス) id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水飴 | 作成日時：2022年5月31日 17時
