No.12 ページ15
傭兵視点
まだ日が昇りきらない早朝に、部屋の外から誰かが歩いてくる足音が聞こえた。
戦場ならまだしも、此処は
すっかりとこの環境になれてしまった自分に正直驚いてはいるが、眠たくてそんな考えはすぐに放棄した。暖かい布団に潜ってもう一眠りしようと目を閉じてから数分経った頃だったと思うが、誰かが俺の部屋に入ってきている気配がして、再び目を開けた。
「誰だ？」
声を掛けると、そいつは俺の方を振り返っておはよう、と言っていた気がする。
正直その時まだ寝惚けていて、相手の言葉や行動はあまり記憶にない。
ただ声と姿がAに似ていて、でもあいつは俺より早起きしたためしなんて一度もなかったから、俺は夢を見ているんだと自己完結した。
絶対この時間帯にAが起きることはないと思っていたものだから、また寂しいやら悪夢を見たやらで眠れないんだと思って、Aの手を握って安心させてやろうとした。
三度目の眠りに入った瞬間、肩に鈍い痛みが走った。ペチッ、と叩かれた音がする。
いきなりのことに完全に眠気が覚めた目で見ると、若干赤面したAが俺を見ていた。
夢じゃなかったと気付いたと同時に、やらかしたと思った。
異性に対して恐怖心があるのに、いきなり手を握ったから流石に怖がらせたかもしれない。
その赤面は怒りから来るのか照れから来るのか分からないが、唯一分かるのは、俺は見事に俺より早起きすることが出来たAに叩き起こされたのだ。
「······早起き出来たんだな＿＿＿＿＿いてっ」
謝ったりおはようよりも先に寝起きの頭を動かして出た言葉がそれだったので、またAに軽く叩かれた。その後、何の用で俺の部屋に来たのか尋ねると、また赤面してはぐらかした。
続く (更新停止中)
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水飴(プロフ) - 【湖の宝石】さん» 初めまして！旧作も見てくださってたんですか！？ありがとうございます···！お待たせさせてしまいますが、ゆっくり書いていきますので、旧作との違いを楽しんでいただけましたら幸いです！ (2022年6月23日 20時) (
レス) id: 6a94704c3e (このIDを非表示/違反報告)
【湖の宝石】(プロフ) - リメイク前の方も見ていたのですが、また見られるなんて嬉しいです！更新頑張ってください！ (2022年6月23日 7時) (レス) id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水飴 | 作成日時：2022年5月31日 17時
