勿忘草-ﾜｽﾚﾅｸﾞｻ-５

67,強さを求めてside貴女 ページ23

sideテトル


胸騒ぎがした
胸の中がざわついた



私は気づいてしまった



気づかぬふりを私はしていた、
本当はとっくのとうに私は理解していたのだろう。


ラディウス様は

私の───


いやそれ以上言ってはならないような気がして、何も考えられなくなる。

抱きしめられた、あの温もりを私は忘れたりしなかった。



もし、この考えがあっているのであれば私はなぜ記憶をなくしてしまったのだろう。


私は一度ここへ来た、一度？本当に？
最初に宝玉の世界に来たのはどういった経緯だったのだろう。


マーレと対峙したのは覚えている。
あの日、故郷が消えた日

私はじいやに救われていまがある。

そして私はどうなった？


不甲斐ない

黒いモヤが霞がかって思い出せない。



全ては私が弱いからだ


強くなりたい
強くありたい

私は決意する、もう決めた！



「ラディウス様…
私に力の扱い方を教えて下さい！

私はもう、後悔はしたくない
これが私のやらなければならないことです！」



目を逸らさず前を行くために約束を守るために、自分を変えたいと願った。

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