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Aは首領直轄の遊撃隊隊長の芥川と仲がいい。幹部補佐という立場と凡そ同等のレベルの芥川と任務に行くことは少なくはなかった。

中でも黒蜥蜴は自らの権限で動かす事ができる。今日の任務は黒蜥蜴への指示と裏切り小規模組織の暗殺である。

「龍、20分で片す」
芥川「了解」

「広津さん、作戦どうしたい?」
広津「貴方の指示を仰ぐように仰せつかっております」
「やだなぁ、敬語やめてよ」
広津「Aさんの方が立場は上かと」
「年齢!こんな若造に頭なんか下げちゃダメだよ」

気さくに言ってのけるAの顔は笑っていない。任務前だからだろう。
「じゃあ、作戦はこうしよう」

Aが居ると芥川は独断専行の任務をしない。不思議とそうなる。太宰に似ている部分を感じさせるのだろうか。

「龍は前、樋口は龍の護衛、黒蜥蜴は私の合図で突撃。私は後衛で中衛は必要ない」

芥川「重畳…20分もかからぬ…」
「そう?何でもいいけどよろしく」

Aが中也抜きで任務をする時は
顔付きや行動が太宰の面影を見せる。
芥川はそれが気に食わないが、これはAなのだと何度も自身に言い聞かせていた。

重そうな扉の前に一同は立つ。
芥川と樋口を真ん中に立たせ、黒蜥蜴やAは端に寄った。

「行け、龍」
芥川「承知」

扉を芥川の黒獣が喰った。芥川に降り注ぐ銃弾を避けながら邪魔をする狙撃手を樋口が撃つ。

「どう?広津さん、龍だけでいけそう?」
広津「無理は禁物かと…」
「んじゃ行こうか。黒蜥蜴」

黒蜥蜴が入った。
その場は約5分で片付いてしまう。

「何で私が必要だったかなー…」
芥川「確かにAは要らぬ。僕だけで充分であった。」
「五月蝿いなぁ、楽しかったでしょう?」
芥川「任務に愉しさなど必要無いだろう。」

たのしさの漢字が多分違うよ、とおどけて笑ってみせるAは油断もしていたのだろう。

?「お前が中井Aか!」
「…そうだけど、誰?」

振り向いた瞬間だった。
銃声が、響いた。

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作者名:テオ | 作成日時:2017年9月6日 20時

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