27 中也side ページ28
「おめでとうございます中原幹部。」
中原「おめでとう中井補佐」
ニヤニヤと2人で揶揄いあったあと俺は酒が飲みたい。とAを高級葡萄酒開封に誘った。
中原「あー目出度ェ日だよ。あの太宰の木偶は消えた。この葡萄酒を開けるのに相応しい日だ。」
「本当に。中也先刻からそればっかり言ってるよ」
酔っているにしては太宰への罵倒が思い付かない。
首領室からの帰り道でAから抜ける前の太宰に事前に会ったと聞いた。
お酒が入った所為なのか、
それとも寂しさを実感した所為なのかAの目から涙が出てきていた。
「中也ぁ…もう居ないんだよ。やっぱり嫌いでも苦手でも大事な人だったんだよ…本当は引き止めたかったんだよ。これからも三人で居てよって中也と私の傍に居てよって…まだ3週間しか経ってないのに」
言葉にすればする程Aから静かに涙が滑り落ちる。俺の服の裾を掴みながら涙を流すAは普通の女の子だ。
Aは生きることを大切にする。
人間を、出会いを大切にする。
1日でも、2日でも、出会って話をしてみてとりあえず人を好きになる。
苦手だ、嫌いだ
何にしても信頼はしていたのだろう
大切な存在になってきていたのだろう
ポートマフィアには似合わない純粋さだった。
太宰が置いていく筈がなかった。
Aには声をかけた筈だった。
でも着いて行かなかったのは居場所をくれた首領の為なのか。
それとも残される側が辛い事を分かっていての事だったのか。
中原「泣くな、A。」
そう言って俺は躊躇しながらも、
Aの肩を抱いた。
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作者名:テオ | 作成日時:2017年7月13日 15時