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中原と同じように、外套を肩に引っ掛け廊下を歩く。
中原「手前、其れ太宰のじゃねえか」
「貰った。」
中原「Aが太宰から貰うなんて珍しいな。」
「使えそうだし、寒かったんだもん。手袋だって、中也のおさがりじゃん。」
中原「そうだな。様になってんじゃねえの」
似合ってる。という事だろうか。Aが悶々と考えていると首領室の前に着いた。
中原「首領。中原と中井です。」
森「入り給え」
今日の森には傍にエリスがいない。
それだけで物凄く迫力が増していた。
森「単刀直入に言おう。太宰君が失踪した。」
中原「太宰が！？」
「…」
森「…矢張り、Aちゃん知っていたんじゃないか。言ってくれればよかったのに」
森はAの外套に目を向けてそう言った。
「私に止められるとお思いですか？」
森「そうじゃないよ…。
こうなっては仕方ない。太宰君は探してはいるが見つからない。捜索は打ち切りにしようと思っている。
あとは君たちに人事入れ替えの報告だよ。」
人事入れ替え…少なからず今回の二大騒動があった為に予測はしていた事だったがこんなにも直ぐだとは誰も想像していなかった。
森「中原くん、五大幹部に昇格だ。これからもよろしく頼むよ。」
中原「ありがとうございます。忠誠を誓います。」
そう言って中原は膝まづいた。
森「Aちゃん、君には太宰くんの後継に入ってもらおうと思っているのだが、どうかね？」
「…辞退させていただきます。」
信じられない。そう言いたげに中原がAを見た。
森「どうしてか、聞こうか」
「太宰さんの其処の席は開けておくべきです。史上最少年幹部、いつ戻ってこられてもいいように。」
森は分かっていたとでも言いたげに笑った。
森「君がそういうならそうしよう。ならばせめて、中原君の幹部補佐は受けてくれないかい？」
「仰せのままに。貴方に忠誠を誓います。首領。」
そう言ってAは膝まづいた。
中原中也上級構成員が五大幹部に。
中井A中級構成員が中原中也の幹部補佐に。
Aの入ってから3週間というポートマフィア史上最速のスピード昇格はポートマフィア、黒社会で瞬く間に広まっていった。
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作者名：テオ | 作成日時：2017年7月13日 15時
