双黒の相棒【文豪ストレイドッグス】 (ページ3)

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2 中也side ページ3

________ポートマフィアに入らねえか。

俺はそう、其奴に告げた。
返答が酷い。

「…は？嫌なんですけど。」

中原「じゃあなぜ手前はここの大学に入学している。」

事実、ここの大学がポートマフィアの管理下というのは知る人は知っているのだ。だからこそ大学の人数は少ない。1学年50人居ればいい方だろう。

「両親もいない状況下で、低いボーダーで大学から奨学金が来る、ソコソコの偏差値の大学とか行くしかないでしょ。」

其奴の目には心做しか光が無い。
両親、そう告げた其奴の発した声には抑揚が無かった。

「マフィア何でしょう、お兄さん。マフィアらしく誘拐でもしたらいいじゃないですか。」

中原「生憎、手前の異能を知った上でする行為じゃぁねえなぁ。あと、手前と年齢は一緒だよ、A。」

ポートマフィアの一員である俺に誘拐を求める其奴は心底面白くないと言いたげな目をしていた。

「ねえ、貴方に着いていけば退屈しないの？」

小首を傾げて聞く其奴に俺は答えた。

中原「あァ。少なくとも今からなら退屈はしねェな。」

「そう。なら、着いていくよ。_____中也。」

中原「…おう。」

笑顔が綺麗だった。言葉が出なかった。
其奴_____否、Aの笑顔をこれから違う色に染めてしまうのかと残念に思えてしまうくらいに。