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「(凄い。)」
本当にそのひと言で事足りたのだ。
ポートマフィア上級構成員___中原中也の異能力の極限の形態「汚濁」。
理性を失い、視界に入ったものは全て攻撃する。空間のベクトルを操る彼は今此処で最強としか言い様が無かった。
太宰「驚いたかい？あれが、中也の異能だよ。彼が尽きるまで暴れ続ける。」
「否、驚いたというより、彼も殺戮に特価してるンですね。」
でも、と彼女は言葉を続けた。
「私よりは人を救える立場に成れる。中也はそうしないだけ…」
彼女は微かに目に哀しみの色を浮かべた。
その瞳に太宰は
つい、夢中になってしまった。
太宰「(嗚呼、彼女織田作に似てるから…こうも、目が離せないのか)」
そう思っていた矢先、中原が敵を全滅していた。
太宰「そろそろかな…。」
「え？ああ、中也を止めるン…太宰幹部！」
太宰の不注意か、それとも二度捕まるなんて太宰の態とか。兎に角今日の太宰はミスが多い。
相手の首領に狙いを定められるなんて。
「ちょ、太宰幹部馬鹿なんですか！？このままじゃ中也やばいンじゃないですか！？」
太宰「Aちゃん、ちょっとよろしく…」
太宰は引き攣った顔をしていた。否、して見せていたのか。どちらか分からないが、Aに出来るのは兎に角中原中也を止めることのみであった。
「…はぁ…異能力、」
「虚無への供え物」
辺が暗くなった。彼女は中原中也を目掛けて、中原中也に少しだけ教わった体術で中原の背後から首筋に触れた。
「どの程度、抜けばいいのかな…このくらい？」
半分程度首筋から異能力を1度引き抜き、中原が落ち着いたのを見届けた。
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作者名：テオ | 作成日時：2017年7月13日 15時
