ロマネは、いつも1本！ ページ3
今迄平和に暮らせていた筈なのに。
高校3年になって、何故こんな事になるんだ。
な ん で ウ チ の ロ マ ネ が 割 れ て ん の
事の発端はついさっき10分程前に、「いっけぇぇぇぇえええっ」と云う元気な声と共に飛んできたサッカーボールだった。
パリィンと云う音と共に、ピチャっと云う水が飛び散る音がして。
客もいないし飯でも食うかと店の奥にいた私は、何事かと飛んできた。
そしたら。
「うっわ、うそ割れてる！！？」
ふと床を見れば、転がっているサッカーボール。
窓を見ればそれも綺麗に割れていた。
まどの外に見える、男を縛り付けてるガキ。
…おま、嘘だろ？
いや取り敢えず弁償してもらうけど、待ってこのワイン待ってもしかして、
「……うわ…しかも50年ものの《ロマネ・コンティ》じゃねぇかよ…」
凡人でも知ってるくらいの銘柄である《Romanée-Conti》と書かれたラベルは、入っていたワインの色に染まっていた。
一杯8〜10万はする代物だぞこれ
取り敢えずあのガキを捕獲しないと()
「ねぇ坊や」
にっこり笑って奴に近付く。
コナン「っ！？な、なぁに？お姉さん」
何の躊躇いもなく近付いた事に何か思ったのか一瞬動揺を見せたが、すぐにガキっぽく媚びてみせるこの野郎。
だからお前誤魔化し下手過ぎな？
いやそれより今はロマネが先だ。
「私、あの店の者なんだけどね。…ちょっと来てくれないかな」
コナン「へっ？ど、どうして？」
「君さ、さっきサッカーボール蹴っ飛ばさなかった？」
コナン「うん！このおじさんを捕まえる為に…って、あれ、ボール…？」
「なんかさ、もう萎んでたんだけどね？…これ、坊やのじゃない？」
ポケットから萎んだボールを取り出して見せれば、「そ、そうだよ」と答えてみせた。
「あのさ、あの割れた窓見える？」
コナン「えっ、うん…」
「あれを突き破ってさ、店のワインが割れたのよ」
コナン「えっ……」
たたっと駆け出し、割れたガラスの前に立ち尽くしたコナンくんを見て、更に追い討ちをかけた。
「そのワインのはね、50年ものの《ロマネ・コンティ》なんだよね。ワインの名前くらいは、聞いたことあるよね」
コナン「え、…おい……嘘だろ……？」
顔が引きつってる…まあそりゃそうなるわな()
コナン「お、お姉さん。これ、僕ん家の連絡先…お家の人とお話するから、一旦帰らせて…」
死神は覚束無い足取りで帰っていった。
…、お疲れ()
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春 - いや〜、こんな作品いい作品を見逃していたなんて…自分を恨む (2023年4月29日 21時) (
レス) @page12 id: 50b2221609 (このIDを非表示/違反報告)
銀海月 - 初めまして、銀クラゲです。いつもこのシリーズを楽しんでいただいております。このコメで誤字シリーズ�，痢悒蹈泪佑�２５本』の赤井秀一様が出てくる所で、11行目の文末に「十二分ある」って書かれていました。作者さんによる工夫などでしたら申し訳ございません。 (2022年12月9日 5時) (レス) @page33 id: 26ba3b58fa (このIDを非表示/違反報告)
ちょこクレープ(プロフ) - 蜘蛛出たんですか...ｗあ！いきなりすみません！お話、とっても素敵でした！！ (2022年9月20日 21時) (レス) id: 4c69a0ba50 (このIDを非表示/違反報告)
凉(プロフ) - 何回も読んでいますが、本っ当に素敵なお話です。私はこの話が大好きです (2022年6月14日 23時) (レス) @page19 id: 52dbda9e53 (このIDを非表示/違反報告)
和佳子(プロフ) - 楽しく読んでいます。ロマネを27本〜の至福の時が私服の時になってるところがあります···^^; (2022年3月19日 20時) (レス) @page35 id: c9b0c9e0b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：煕流 | 作成日時：2019年5月3日 10時
