六 ・ ページ7
『ああ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ぁ…』
情けない私の声が道路を焼き付けていく。
あるのは火薬、血肉の匂い
私には何も無くなった…。
唯一有るのはお父さんが生きていた証の____軍刀だけ
寝る前に強く握っていたのだろう____。
夜中を照りつける蛍が私の目を照らした。
写真機と軍刀を持って立ち直る
否、立ち直るしかない。
『冗談でしょ?違う…そんなはずない…』
今まで感じられなかった恐怖と憎悪が押し寄せた。
私はゆっくりと歩き出す…
こんなの…可笑しいよ…正しいの人間がただ嬲り殺 されるなんて
強ばった表情で私は前を見つめる。
私に未来なんて無くてもいい___でも、善人は生きているべきだ。
残りの人生が__大義や正義の道じゃ無くても良い____。
絶対殺 してやる…、償わせてやる
『お前か…?両親を殺 したのは__』
近くに居た龍の鱗のような黒外套を羽織った男性に問う。
私は相手を鋭い眼光で睨みつけた。
男は警戒をしていた…それしかよく覚えていない。
私は血塗れの足を動かす__。
コッコッと無機質な音だけが道路を震わせる
男は顔色も一つ変えない…ゆっくりと私に告げる
「そうさ…依頼でやったんだ」
私は怒りの波が押し寄せてきた。
『許さないと』と云って憤怒の表情を浮かべた。
許したりしない。
殺 す
唯、一人の少女が軍刀を突き出した。
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作者名:黎明 | 作成日時:2023年9月2日 17時